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蒸気の分圧 前編(温度が上がらない理由)
装置から空気を排除する必要性
熱交換機の蒸気室部分の圧力計は、所定の圧力を指しているにもかかわらずいつまでたっても必要な温度に到達しない・・・という経験をされたことはありませんか?このような場合、蒸気室部分では蒸気の圧力が下がっている可能性があります。これは分圧の法則で説明ができます。本稿ではこの分圧を取り上げてみます。
ダルトンの分圧の法則
ダルトンの(分圧の)法則とは・・・
数種類の気体が混合しているときの全体としての圧力は、それぞれの気体が同じ容器に単独で存在しているときの圧力(分圧)の和に等しい
というものです。この法則が装置の空気障害に関係しています。私達が使用する装置、特にバッチ運転をする装置を考えてみると、熱交換器の蒸気室には、蒸気が入る前の状態では空気が存在しています。ここに蒸気を送り込んで加熱しますので、空気を上手く排除して蒸気に置き換えないと、蒸気室内は空気と蒸気の混合気体で満たされることになります。このため、この状態で計った蒸気室の圧力は、空気と蒸気の混合気体の圧力となり、圧力計が示す圧力=蒸気の圧力とはなりません。 ここで、先ほどの「ダルトンの法則」に当てはめて考えてみると、
[空気の分圧]+[蒸気の分圧]=[混合気体の圧力(全圧)]
となり、この時の蒸気の圧力は、混合気体の圧力よりも低いのです。
混合気体の圧力計の値を見て、その飽和圧力の温度を期待しても実際の蒸気の圧力は低いため、温度も期待値までは上がりません。この様に混合気体となってしまっていることに気付かないと、「圧力計の値は所定の圧まで上がっているのに、温度は上がらない」という“珍現象”が起こります。また、空気が断熱に利用されることでもお分かりのように、空気は熱の不良導体です。この点からも言っても、空気を蒸気室から排除することが蒸気を効率よく使用するための第一歩といっても過言ではありません。
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