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HOME > 蒸気のお話 > 蒸気の分圧 後編(空気の排除 その2)

蒸気の分圧 後編(空気の排除 その2)

装置のどこから空気を抜くか

蒸気の通気によって、蒸気室内を満たしている空気を追い出し、蒸気が流入することで装置の加熱が始まりますが、このとき、全ての空気を上手く逃すことが重要です。特に、複雑な形状の蒸気室を持つ装置やサイフォン管を使用する装置などは蒸気室内部に“空気溜まり”ができやすいので注意が必要です。高性能な空気排気機能を持つスチームトラップを使って、ドレン出口からドレンと空気を排出したとしても、蒸気溜まりの空気は排除できません。この場合は蒸気用エアベントの使用が効果的です。蒸気用エアベントとは、サーモスタティックタイプのスチームトラップと同様の構造をしており、蒸気と空気の温度差で開閉弁する自動弁です。このエアベントを、装置の構造などから推定した空気溜まりとなる場所に設置すれば、効率よく空気を排除できます。

高温空気の排除方法

以上は装置始動時に溜まっていた初期の空気の話ですが、運転中の高温の空気についても考えてみます。運転中でも装置には、ボイラー給水処理が不十分で二酸化炭素などの不凝縮ガスが流入してきたり、装置の中に残留していた空気が蒸気に加熱されて高温になるケースなどがあります。これらの空気や不凝縮ガスも上手く排除しないと運転に支障を来たすことになります。高温空気の排除では、エアベントのタイプで結果に差が出てきます。
バイメタル式のエアベントは、開弁温度がほぼ一定であるため、高温になった空気の排除は苦手です。バランスドプレッシャー式のエアベントは、飽和温度より一定温度低い温度で開弁しますので、蒸気の圧力が変化しても常に高い温度の空気を排出できます。

蒸気用エアベントの解説

蒸気用エアベント(LA21)の作動説明

装置始動時には、X-エレメントは開弁しており、多量のエア・ガスを速やかに排出するので、装置のスターティング時間を短縮します。蒸気が流入すると、直ちにX-エレメントは閉弁します。周囲温度が飽和温度に近い場合は閉弁を維持します。その後、エア・ガスの流入によって温度が低下すると再び開弁して、速やかにこれらを排除します。

バイメタル式とバランスドプレッシャー式(Xエレメント)エアベントの比較

グラフ-バイメタル式とバランスドプレッシャー式(Xエレメント)エアベントの比較

バイメタル式のエアベントは蒸気の飽和温度近くの高温空気を排除するためには蒸気温度に合せた調整がその都度必要です。また、蒸気飽和温度に近づけた設定を行うと、バイメタルの応答動作が緩慢であることから蒸気が吹き抜けてしまう問題が生じます。一方バランスドプレッシャー式であるXエレメントは、使用する蒸気圧力に応じて開閉温度が自動的に変化します。したがって、調整不要でありながら高温になってしまった空気の排除も可能です。また、応答速度がバイメタルに比べて極めて速いため、蒸気の吹き抜けもほとんどありません。

このように、蒸気室からの空気の排除は、エアベントを設置する場所エアベントのタイプの2つのポイントを押さえることが重要です。

蒸気の分圧 プチ・クイズ

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