蒸気の知恵袋

もっと知りたい蒸気のお話

知っているようで知らない蒸気について詳しく説明しています。

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なくてはならない情報

鉄道旅行をするには時刻表があれば便利ですね。知らない土地を車でドライブするには地図やカーナビゲーションが必要です。蒸気を取り扱う上で、なくてはならない情報には「蒸気表」があります。

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飽和蒸気の場合

蒸気表は非常に便利で、「飽和蒸気」の場合は温度が分かればその圧力が分かります。逆に圧力が分かっていれば飽和温度を知ることができます。他の情報としては、比エンタルピーという値もよく使用します。

飽和状態とは、液相と気相が同時に存在している状態です。従って、「飽和蒸気表」には飽和水(液相部分)の種々の値と、飽和蒸気(気相部分)の種々の値が併記されています。通常、蒸気表では飽和水の値であることを表すために「’」を、飽和蒸気の値であることを表すために「”」を添え字します。

表記の例

比体積 単位質量あたりの体積
v’ 飽和水の比体積
v” 飽和蒸気の比体積
比エンタルピー 単位質量あたりのエンタルピー
h’ 飽和水の比エンタルピー
h” 飽和蒸気の比エンタルピー
h”-h’( = r ) 蒸発潜熱

私たちが使用する“蒸気の熱エネルギー”は多くの場合「蒸発潜熱」です。蒸発潜熱は圧力が低い蒸気ほど大きく、圧力が高くなるにつれて小さくなっていきます。ついには臨界圧力である22.06MPaで蒸発潜熱は0になりますが、このようなことも蒸気表から読み取ることができます。

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圧力基準蒸気表と温度基準蒸気表

飽和蒸気は圧力が決まれば温度が決まりますが、これは「温度が決まれば圧力が決まる」と言い換えることもできます。そのため、蒸気表も圧力から読み取るタイプと温度から読み取るタイプがあります。もちろん中身は同じです。

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間違えやすい圧力表記

蒸気表を使用する際、圧力に関してちょっとした注意が必要です。大気圧下で生活している私たちには、文字通り大気の重さから受ける圧力がかかっています。その値は約101.3kPaです。

しかし、圧力を計る圧力計では、大気圧でゼロを指し示す「大気圧基準の圧力計」を使用するのが一般的です。大気圧より高い圧力を扱う場合、大気圧(=つまり自分がいる空間)よりどれだけ圧力が高いかを示した方が分かりやすいためです。圧力計の読みは「ゲージ圧力」と呼ばれます。

これに対し、蒸気表の基準では大気圧=101.3kPaであり、蒸気表上の圧力ゼロ=絶対真空となっていることが一般的です。

圧力表記の違い
ゲージ圧力
大気圧基準の圧力計の圧力表記 圧力ゼロ=大気圧
絶対圧力
(絶対圧基準の)蒸気表の圧力表記 圧力ゼロ=絶対真空
(大気圧=101.3kPa)

この違いからミスが生じることがあります。大気圧基準の圧力計から読み取った値を、絶対圧基準の蒸気表にそのまま当てはめることはできません。大気圧基準の圧力計で測定した圧力値の蒸気の状態を蒸気表で知るには、対象となる蒸気の圧力を絶対圧力に換算する必要があります。

ゲージ圧力を絶対圧力に換算
対象となる蒸気の絶対圧力[kPa] =大気圧基準の圧力計の読み値
[kPa]+101.3[kPa]

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過熱蒸気の場合

「過熱蒸気」の諸数値を飽和蒸気表で知ることはできません。飽和蒸気表とは別の「過熱蒸気表」を使います。

過熱蒸気は飽和蒸気と異なり、同じ圧力でもいろいろな温度をとることができます。つまり、圧力と温度の組み合わせが無数に存在するため、その全てを表に記載することはできません。そのため、専門書の巻末に付録で付いているような過熱蒸気表の多くは、圧力・温度の代表的な組み合わせを抜粋して記載しています。

飽和蒸気表も過熱蒸気表も日常業務ではほとんどの場合、簡易なもので用が足りますが、それで不十分な場合は日本機械学会から発行されている蒸気表を参照することになります。これは蒸気表だけで1冊の本になったもので1冊1万円を超えますが、職場に1冊あればいざと言うときに頼りになります。

表記の例
v 比体積 [m³/kg]
h 比エンタルピー [kJ/kg]
s 比エントロピー [kJ/kg・K]

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