スチームトラップとは
トラップ=罠?
スチームトラップはTLVを代表する機器のひとつですが、そもそもスチームトラップとは何なのでしょうか。
直訳すると、スチーム=蒸気、トラップ=罠です。蒸気雰囲気の中からドレンだけを排出して蒸気を極力漏らさないという用途に用いられるため、このように呼ばれるようになったのでしょう。JIS B 0100バルブ用語では「トラップ」は次のように定義されています。「機器、配管などからドレンを自動的に排出する自力式のバルブの総称」自動弁の一種と言うことになります。
何のために設置するか
では蒸気で加熱を行う場合、なぜスチームトラップが必要なのでしょうか。蒸気は、高温高圧下で水が気体になった物ですが、仕事を終える(=潜熱を放出する)と凝縮してドレンになります。つまりドレンには蒸気本来の仕事をする能力はありません。そのため、蒸気輸送配管内でも熱交換器内でもドレンは速やかに排除すべき対象と言うことになります。
■スチームトラップが必要な理由(ジャケット釜の例)
“普通”のバルブではダメ?
では「バルブの開度を調整して、ちょうど発生したドレンが排出されるようにしてやれば、スチームトラップを使わずともバルブで代用できるではないか?」とお考えの方もいらっしゃると思います。
これはある限られた条件においては正解ですが、適用範囲は極めて限られているため現実的ではありません。
バルブの開度を半固定にした場合の最大の問題は、ドレンの発生量が変化した場合に追従しないことです。ドレンの発生量は一定ではありません。装置の場合は、スタートアップ時と定常時の差、あるいは被加熱物量が変化した時それぞれドレン発生量が違います。蒸気の輸送配管においては外気温の変化、降雨や積雪の有無でドレン発生量が異なります。
ドレン量の変化に追従ができないと、排出すべきドレンを溜めてしまったり、止めるべき蒸気を漏らしてしまったりするわけです。
■バルブの開度を半固定にしてスチームトラップの代わりをしたら
様々な機構があるスチームトラップ
自動で排出を行うための機構として様々な方法(作動原理)が開発されていますが、現在主に使用されてる方法は温度を利用する方法、ドレンと蒸気の比重差を利用する方法、温度変化による圧力の変化や運動エネルギーを利用する方法などがあり、それぞれトラップの特徴にもなっています。
それぞれの作動原理とトラップの特徴は別の機会に解説することにいたします。
