ディスク・スチームトラップは、低圧域から高圧域まで広範囲に使用できる汎用性のあるトラップです。従来のディスク式には、空気障害やドレンがない状態での空打ち作動等の構造的弱点がありましたが、それを一気に解決したのがTLVディスク・スチームトラップです。
INDEX
ディスク・スチームトラップの特長
二重蓋構造
多くのディスクトラップは、一重蓋で外気の影響を受ける外気冷却式です。そのため、ドレンがなくても作動し、空打ち、吹放しといった蒸気ロスが発生します。
TLVのディスクトラップは、空気保温式または蒸気加熱復水冷却式の二重蓋構造の採用で、外気の影響を受けにくく、ドレンの滞留時のみ確実な間欠作動をおこないます。

空気保温式
空気保温式 / 蒸気ロスの低減
外気の影響を避けるため、変圧室は内蓋とキャップで被われて二重構造となっており、その間にある空気が保温材として働きます。このため、周囲の環境が大きく変わっても変圧室の冷却速度はほとんど一定なので、スチームトラップは安定した作動をします。

蒸気加熱復水冷却式
蒸気加熱復水冷却式 / 蒸気ロスの低減
変圧室を形成する内蓋の外側に外蓋を設け、二重蓋構造としています。これらの二つの蓋の間の空間は循環孔を通してスチームトラップの入口側につながっています。
この空間はドレンのない時は蒸気によって満たされ、ドレンが流入してくるとドレンで満たされることにより、変圧室は蒸気で加熱され、ドレンで冷却されるため、トラップは確実な作動をします。
自動ブローオフ機構

初期空気を自動排除し立ち上り時間を短縮
初期立ち上り時は低温のため、内蔵のバイメタルリングは収縮し、弁を強制開弁させ、初期空気と低温ドレンを速やかに自動排除して立ち上り時間を大幅に短縮します。TLVの多くのディスクトラップに採用されています。
高シール、高耐久のシート部

ディスク弁・弁座
高いシール性能を長期にわたり継続
ディスク弁・弁座のシール面に特殊熱処理と高精度ポリッシング仕上げを施すことで、従来のディスク式スチームトラップと比べ、極めて高いシール性と長寿命を実現しています。
これは、空気障害を防ぐ自動ブローオフ機構を内臓しているため可能となった技術です。
弁・弁座などの磨耗部品はユニットで交換

配管したまま磨耗部品の交換が可能
(型式により構造は異なります)
摩耗部品のみユニットで交換/簡単メンテナンス
ディスク式スチームトラップは、その作動原理・構造上、要部が摩耗しやすく寿命が短いのが欠点です。TLVのディスクトラップは、その摩耗しやすい部品(弁座、ディスク弁、内蓋など)をユニットとして交換可能にしているため、配管からの脱着を必要とする製品交換に比べ、交換時間も短くコストも削減できます(P21S、P46Sを除く)。
構造断面図
| 型式 | 断面図 | |
|---|---|---|
A3N |
A3N・AF3N | ![]() |
P シリーズ |
P21S P46S P46SRN P46SRM P46SRW P65SRN |
![]() |
FP シリーズ |
FP46UC | ![]() |
HR シリーズ |
HR80A HR150A HR260A |
![]() |
トラップの選定に必要な項目
選定にあたっては、下記の項目の確認が必要です。
- 1) 用途(使用箇所)の確認…
- 主管、装置、暖房・空調、トレース等
- 2) 使用条件の確認…
- トラップ前後の圧力関係、温度、ドレン量等
* トラップ出口側圧力はトラップ入口側圧力の50%以下の使用条件であれば使用可能です。
3) トラップの呼径、接続方法、要求材質等
以上の項目から各ステップにて適正型式を選定してください。
ディスク・スチームトラップの選定ステップ
-
<ステップ1>
-
<ステップ2>
-
<ステップ3>
-
<ステップ4>
<ステップ 1> 型式の選定
- 使用する用途、使用条件から、下記の選定表より該当する型式の製品仕様ページ(PDF)に進んでください。
| (1) 使用圧力 MPaG |
(2) 最高 使用温度 ℃ |
(3) 本体構造 |
(4) 本体 標準材質 |
(5) 最大 排出流量 kg/h |
型式 |
用途*1 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 主 管 |
装 置 *2 |
暖 房 空 調 *2 |
トレース | ||||||||
| 配 管 |
ジ ャ ケ ッ ト |
計 装 |
|||||||||
| 0.03~1.6 | 220 | 要部ユニット 交換可 |
鋳鉄 | 1700 | A3N AF3N |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
| 0.025~2.1 | 425 | ステンレス鋼 | 320 | P21S | ○ | ○ | ○ | ○ | |||
| 0.03~4.6*3 | 425 | ステンレス鋳鋼 | 480 | P46S | ○ | ○ | ○ | ○ | |||
| 0.03~4.6 | 400 | 要部ユニット 交換可 ユニバーサル フランジ型 (接続本体+ トラップ部) |
740 | FP46UC | ○ | ○ | ○ | ||||
| 0.03~4.6 | 425 | 要部ユニット 交換可 |
炭素鋼 ステンレス鋼 |
740 | P46SRN | ○ | ○ | ○ | |||
| 1360 | P46SRM | ○ | ○ | ○ | |||||||
| 炭素鋼 | 2070 | P46SRW | ○ | ○ | ○ | ||||||
| 0.03~6.5 | 炭素鋼 ステンレス鋼 |
470 | P65SRN | ○ | |||||||
| 0.8~8.0 | 475 | クロムモリブデン鋼 | 190 | HR80A | ○ | ||||||
| 1.6~15.0 | 550 | 220 | HR150A | ○ | |||||||
| 1.6~26.0 | 230 | HR260A | ○ | ||||||||
- *1
- ここに示す用途はあくまでもガイドラインです。実際には使用条件によって各種用途に使用できる場合がありますので、選定に対しご不明な場合はTLVへご相談ください。
- *2
- 細かな温度コントロールを必要とする装置にはフリーフロート・スチームトラップをご使用ください。
- *3
- 長期間、最高の性能を発揮し続けるために、2.1MPaG以下での使用を推奨します。
※以下は該当する型式の製品仕様ページ(PDF)で確認し、適正型式を選定してください。
<ステップ 2> 材質の確認
- ステップ1で選択された型式の標準材質でいいか確認ください。該当しない場合はオプションを確認し、それでも該当しない場合は他の型式を確認ください。
<ステップ 3> 流量の確認
- 使用箇所のトラップにかかる圧力条件により、作動圧力差から排水能力グラフより安全率を考慮し、要求する流量を満足するか確認ください。ディスク・スチームトラップは間欠排出するため、指定なき場合の流量安全率は2以上を確保ください。
<ステップ 4> 呼径、接続仕様等の確認
- 選定した型式の呼径、接続仕様などが希望のものかを確認してください。






