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スチームトラップの分類
スチームトラップの重要な機能は、蒸気輸送管や蒸気使用装置などの蒸気配管系で発生したドレンを速やかに排出することです。次に省エネルギーの観点から蒸気を漏らさないこと、さらに空気などの不凝縮ガスを排出する機能が求められます。
スチームトラップは、作動原理により大きく3つに分類されます。
メカニカル スチームトラップ

メカニカルスチームトラップは、蒸気(気体)とドレン(液体)との比重差で作動します。例えば、フロートがドレン中では浮力を得て上昇し、弁口を開きドレンを排出します。逆にドレンの流入が無くなると、フロートは下降し弁口を閉じます。
TLVでは、メカニカルスチームトラップとして、 “フリーフロート”と“フリーボールバケット”式を主に製作しています。多くのモデルは、空気などの不凝縮ガスを自動排出させるための感温型のエアベントを内蔵しています。
サーモダイナミック スチームトラップ

サーモダイナミックスチームトラップはディスク式とも呼ばれ、蒸気の凝縮作用と気体である蒸気と液体であるドレンの差や運動エネルギーに差があることを利用して作動します。溜まっていたドレンを排出して蒸気がトラップに流入すると、弁に作用する流体の力が弱くなると同時に弁と弁座間で低圧域を作り出し、弁が弁座の方向に動かされ閉弁します。
TLVではサーモダイナミックスチームトラップとしてディスク式を製作しています。
サーモスタティック スチームトラップ

サーモスタティックスチームトラップは、トラップに達したドレンは必ず飽和温度以下になっている、すなわち蒸気とドレンの温度差を利用して作動します。バイメタル式とベローズ式、エレメント式が存在します。
バイメタル式は、熱膨張率の異なる金属を張り合せたバイメタルが感温体として働き、温度差により湾曲する力を開閉弁に利用しています。
ベローズ式とエレメント式は、ベローズまたはエレメント内に封入された感温液が温度差により気化・液化するときに発生する膨張力・凝縮力を開閉弁に利用しています。
TLVではエレメント式(X-エレメント内蔵)とバイメタル式およびエレメント式の一種であるサーモエレメント(ワックス)タイプを製作しています。
適正なスチームトラップの選定のために
スチームトラップは、作動原理や流量特性から多くの種類が存在します。省エネルギー、加熱効率向上、プラントの安定操業等の目的のためには、用途に合致した最適なトラップを選定することが重要です。
具体的に適正な選定をするためには、下記の項目を確認してください。
選定するための必要項目
下記内容は、最適型式を選定するための最低限必要な項目です。事前にできるだけ詳細な情報を準備ください。実際にはそれぞれの条件においても複雑な使用条件が重なり合うことがあります。ご不明な場合はTLVへご相談ください。

用途と使用条件の確認
トラップへの要求流量、呼径、接続方法、要求材質等の確認
使用箇所のトラップにかかる圧力条件により、作動圧力差から排出流量グラフより流量の安全率を考慮し、要求する流量を満足するか確認して適応する型式およびフロート式の場合はオリフィスNo.を選定してください。
確認には「安全率とは」「排出流量グラフの見方」を参照ください。
スチームトラップの種類
作動原理別・構造別・用途別に以下の種類が揃っています。
メカニカル
| 分類 | 特長 |
|---|---|
|
フリーフロート式
|
|
|
フリーボールバケット式
UFOシリーズ |
|
| シリーズ | 仕様 | 用途 | ||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| PMO 最高 使用 圧力 MPaG |
TMO 最高 使用 温度 ℃ |
材質 | 主管 | 装置 | 暖 房 空 調 |
トレース | ||||||||
| 低 圧 ~2.1 MPaG |
中 圧 ~5.0 MPaG |
高 圧 5.0~ MPaG |
加 熱 |
蒸 発 |
乾 燥 |
配 管 |
ジ ャ ケ ッ ト |
計 装 |
||||||
| J(S)Xシリーズ | 2.1 | 220 | ダクタイル鋳鉄・ 鋳鉄・ステンレス鋼 |
○ | ○ | ○ | ○ | |||||||
| J H シ リ | ズ |
JH-X シリーズ |
3.2 | 240 | 炭素鋼・ ステンレス鋼 |
○ | ○ | ○ | ○ | ||||||
| JH-B シリーズ |
10.0 | 425 | 炭素鋼・ ステンレス鋼・ 低合金鋼 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||
| JH-P シリーズ |
12.0 | 530 | 炭素鋼・ ステンレス鋼・ 低合金鋼 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||
| BTシリーズ | 1.0 | 185 | 鋳鉄 | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||||
| J10・JH15 | 4.6 | 350 | 鋳鉄・炭素鋼 | ○ | ○ | ○ | ||||||||
| SW1U | 1.6 | 220 | 炭素鋼 | ○ | ○ | ○ | ||||||||
| S S T シ リ | ズ |
SSシリーズ | 4.6 | 425 | ステンレス鋼 | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||||
| SH5VL | 6.5 | 425 | 炭素鋼 | ○ | ○ | ○ | ||||||||
| FSシリーズ | 3.2 | 400 | ステンレス鋼・ 炭素鋼 |
○ | ○ | ○ | ○ | |||||||
| UFOシリーズ | 1.6 | 220 | 鋳鉄 | ○ | ||||||||||
サーモダイナミック
| 分類 | 特長 |
|---|---|
|
ディスク式
|
|
| シリーズ | 仕様 | 用途 | |||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| PMO 最高 使用 圧力 MPaG |
TMO 最高 使用 温度 ℃ |
材質 | 主管 | 装置 | 暖 房 空 調 |
トレース | |||||||
| 低 圧 ~2.1 MPaG |
中 圧 ~5.0 MPaG |
高 圧 5.0~ MPaG |
加 熱 |
蒸 発 |
乾 燥 |
配 管 |
ジ ャ ケ ッ ト |
計 装 |
|||||
| A3N | 1.6 | 220 | 鋳鉄 | ○ | ○* | ○* | ○ | ○ | ○ | ||||
| Pシリーズ | 6.5 | 425 | 炭素鋼・ ステンレス鋼 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||
| HRシリーズ | 26.0 | 550 | クロムモリブデン鋼 | ○ | ○ | ||||||||
| FP46UC | 4.6 | 400 | ステンレス鋼 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||
- *
- 細かな温度コントロールを必要とする装置にはフリーフロート・スチームトラップをご使用ください。
サーモスタティック
| 分類 | 特長 |
|---|---|
|
サーモスタティック式(X-エレメント)
|
|
|
|
| シリーズ | 仕様 | 用途 | |||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| PMO 最高 使用 圧力 MPaG |
TMO 最高 使用 温度 ℃ |
材質 | 主管 | 装置 | 暖 房 空 調 |
トレース | |||||||
| 低 圧 ~2.1 MPaG |
中 圧 ~5.0 MPaG |
高 圧 5.0~ MPaG |
加 熱 |
蒸 発 |
乾 燥 |
配 管 |
ジ ャ ケ ッ ト |
計 装 |
|||||
| Lシリーズ | 3.2 | 240 | 炭素鋼・ ステンレス鋼・ 黄銅 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
| FLシリーズ | 3.2 | 240 | ステンレス鋼・ 炭素鋼 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
| LEXシリーズ | 2.1 | 350 | ステンレス鋼 | ○ | ○ | ||||||||
| RT3A | 0.3 | 150 | 黄銅 | ○ | |||||||||
クリーンスチームトラップ
| 分類 | 特長 |
|---|---|
|
|
| シリーズ | 仕様 | 用途 | |||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| PMO 最高 使用 圧力 MPaG |
TMO 最高 使用 温度 ℃ |
材質 | 主管 | 装置 | 暖 房 空 調 |
トレース | |||||||
| 低 圧 ~2.1 MPaG |
中 圧 ~5.0 MPaG |
高 圧 5.0~ MPaG |
加 熱 |
蒸 発 |
乾 燥 |
配 管 |
ジ ャ ケ ッ ト |
計 装 |
|||||
| SS5P | 0.6 | 165 | ステンレス鋼 | ○ | ○ | ○ | |||||||
| LV6シリーズ | 0.6 | 165 | ステンレス鋼 | ○ | ○ | ○ | |||||||
用途別選定表
| 蒸気主管 ・ヘッダー |
<必要要件> <主管の管末用トラップの必要要件> |
|||
|---|---|---|---|---|
| 作動形態 | 圧力 区分* MPaG |
補足情報 | シリーズ | 詳細説明 |
| 連続排出型(省エネルギー型) | ~ 2.1 | - | SSシリーズ | 主管用フリーフロート |
| バイパス弁付 | BTシリーズ | バイパス弁付 フリーフロート |
||
| ~ 3.2 | - | SSシリーズ | 主管用フリーフロート | |
| JH3S-B | ||||
| ユニバーサル継手付 | FSシリーズ | |||
| ~ 6.5 | - | SSシリーズ | ||
| SH5VL | ||||
| JH5S-Bシリーズ | ||||
| JH5S-Pシリーズ | ||||
| JH-Bシリーズ | フリーフロート | |||
| JH-Pシリーズ | ||||
| ~ 12.0 | JH5RH-B | |||
| JH5RH-P | ||||
| JH7RH-B | ||||
| JH7RH-P | ||||
| 連続・間欠排出型 (省エネルギー型) |
~ 3.2 | - | Lシリーズ | サーモスタティック |
| ユニバーサル継手付 | FLシリーズ |
| 間欠排出型 | ~ 1.6 | 要部ユニット交換型 | A3N | ディスク |
| ~ 4.6 | ユニバーサル継手付 要部ユニット交換型 |
FP46UC | ||
| ~ 6.5 | 要部ユニット交換型 | Pシリーズ | ||
| ~ 26.0 | HRシリーズ |
- *
- 使用圧力は型式により異なります。各型式の製品仕様ページ(PDF)で確認してください。
| 装置 ・プロセス |
<必要要件> ・背圧許容度が高い |
||||
|---|---|---|---|---|---|
| 用途 | 圧力 区分*2 MPaG |
補足情報 | シリーズ | 詳細説明 | |
| <加熱> <蒸発> <乾燥> |
・熱交換器*1 ・リボイラー*1 ・加熱機、予熱器 ・二重釜*1 ・オートクレーブ (滅菌機 他) ・タンクヒーティング*1 その他の加熱機 ・蒸発器*1 ・結晶缶*1 ・濃縮缶*1 ・蒸留器*1 その他の蒸発器 ・熱風乾燥機 ・プレス機 その他の乾燥機 |
~ 2.1 | - | JXシリーズ | フリーフロート |
| バイパス弁付 | BTシリーズ | ||||
| クリーンスチーム用 | LV6・SS5P シリーズ |
クリーンスチームトラップ | |||
| ~ 3.2 | 小型装置用 | Lシリーズ | サーモスタティック | ||
| - | JH-Xシリーズ | フリーフロート | |||
| ~ 6.5 | JH-Bシリーズ | ||||
| JH-Pシリーズ | |||||
| ~ 12.0 | JH5RH-B | ||||
| JH5RH-P | |||||
| JH7RH-B | |||||
| JH7RH-P | |||||
| ~ 2.1 | 大容量用 | J10 | 大容量フロート | ||
| JH15シリーズ | |||||
| SW1Uシリーズ | |||||
| ~ 4.6 | JH15シリーズ | ||||
| <乾燥> | ・シリンダー乾燥機、 ロール乾燥機 ・コルゲートマシン、他 |
~ 2.1 | - | JXシリーズ | フリーフロート |
| UFOシリーズ | フリーボールバケット | ||||
| ~ 3.2 | 小型装置用 | Lシリーズ | サーモスタティック |
| *1 印の装置では、運転条件によってはストール現象*3が発生する恐れがあります。その場合、パワートラップ(GT型)をご利用ください。 | GTシリーズ | パワートラップ |
- *2
- 使用圧力は型式により異なります。各型式の製品仕様ページ(PDF)で確認してください。
- *3
- ストール現象とは、装置内の圧力が背圧よりも低くなるためにドレンが滞留してしまう現象のことです。
加熱ムラやコイルの腐食、ウォーターハンマーなどの問題を引き起こします。
| 暖房 ・空調 |
<必要要件> |
|||
|---|---|---|---|---|
| 用途 | 圧力 区分*2 MPaG |
補足情報 | シリーズ | 詳細説明 |
| ・ラジエーター ・コンベクター、他 |
~ 0.3 | - | RT3A | サーモスタティック |
|
・空調機/エアヒーター*1 ・ユニットヒーター ・プレート式ヒーター ・ストリップヒーター*1 その他の暖房・空調機器 |
~ 2.1 | - | JXシリーズ | フリーフロート |
| バイパス弁付 | BTシリーズ | バイパス弁付フリーフロート | ||
| 小型装置用 | Lシリーズ | サーモスタティック |
| *1 印の装置では、運転条件によってはストール現象*3が発生する恐れがあります。その場合、パワートラップ(GT型)をご利用ください。 | GTシリーズ | パワートラップ |
- *2
- 使用圧力は型式により異なります。各型式の製品仕様ページ(PDF)で確認してください。
- *3
- ストール現象とは、装置内の圧力が背圧よりも低くなるためにドレンが滞留してしまう現象のことです。
加熱ムラやコイルの腐食、ウォーターハンマーなどの問題を引き起こします。
| 保温 ・温度維持 |
<必要要件> <計装用の追加要件> |
|||
|---|---|---|---|---|
| 用途 | 管理温度 区分 |
補足情報 | シリーズ | 詳細説明 |
| 保温ジャケット | - | - | SSシリーズ | 主管用フリーフロート |
| Lシリーズ | サーモスタティック | |||
| A3N Pシリーズ |
ディスク | |||
| ユニバーサル継手付 | FSシリーズ | 主管用フリーフロート | ||
| FLシリーズ | サーモスタティック | |||
| FP46UC | ディスク | |||
| 配管トレース | 管理温度 80℃超 |
- | SSシリーズ | 主管用フリーフロート |
| Lシリーズ | サーモスタティック | |||
| A3N Pシリーズ |
ディスク | |||
| ユニバーサル継手付 | FSシリーズ | 主管用フリーフロート | ||
| FLシリーズ | サーモスタティック | |||
| FP46UC | ディスク | |||
| 管理温度 80℃以下 |
顕熱利用型 | LEX-TZシリーズ | サーモスタティック温調 |
| 計装トレース | 管理温度 80℃超 |
- | P21S P46S |
ディスク |
| LVシリーズ | サーモスタティック | |||
| 管理温度 80℃以下 |
顕熱利用型 | LEX-TZシリーズ | サーモスタティック温調 |
安全率とは
トラップの排出流量グラフは、ドレンを“全開状態で連続的に排出した時の値をグラフ化”したものです。選定するトラップの排出能力は、装置等のドレン発生量に対し、変動吸収のための余裕が必要となります。この流量に余裕を与えるための係数が“安全率”です。
トラップの必要排出量 ≧ ドレン発生量 × 安全率
安全率はトラップの作動原理、作動形態により、異なります(詳細は各型式の製品仕様ページ(PDF)にて確認ください)。
| トラップタイプ | フリーフロート式 | バケット式 | ディスク式 | サーモスタティック(エレメント)式 | バイメタル式 |
|---|---|---|---|---|---|
| 標準安全率 | 1.5以上 | 2以上 | 2以上 | 2以上 | 3~5以上 |
ただし、負荷変動が大きい時や、ドレン排出が困難な装置には上記より大きな安全率を適用してください。
(例) 短時間で処理が必要なバッチ運転の装置の場合、3~5。
また、提示されるドレン量に安全率がすでに含まれている場合は、トラップ側での安全率が不要の場合もあります。
排出流量グラフの見方
<排出流量グラフの使用例> フリーフロート式の場合
| 使用条件 |
|---|
| P1 : 常用運転(入口)圧力…0.7~0.8 MPaG P2 : ドレン回収管圧力 …0.05~0.1 MPaG Q : ドレン発生量 …500 kg/h |
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| 選定ポイント |
|---|
|
上記の使用条件より、ドレン回収管圧力がゼロの場合も想定し、トラップの最高作動圧力差は0.8MPa以上。最小作動圧力差0.6MPa時に排出量750kg/h以上の能力をもった型式を選定する必要があります。

- 1.上記グラフ中の数字は、オリフィスNo.を示します。
- 2.作動圧力差はトラップ入口と出口との圧力差、最高作動圧力差はその最大値です。
- 3.飽和温度よりも6℃低い温度のドレンを連続排出する場合の毎時排水量です。
- 4.選定の際は1.5倍以上の安全率をおとりください。
最高作動圧力差を超えて使用すると排出不能(フンヅマリ)となりますので、絶対に避けてください。
上記グラフより、オリフィスNo.10を選定し、作動圧力差0.6MPaとの交点から流量値800kg/hを読み取ります
(オリフィスNo.10・…最高作動圧力差は1.0MPaです)。
ドレン発生量500kg/hに対しトラップ能力800kg/hは安全率1.6であり適正な選定となります。


















