TLV蒸気と省エネメールマガジン
2009/11/25 Vol.75
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■■■ TLVメールマガジン Vol.75
■ ~蒸気を通して省エネ・環境を考える~
■ 2009年11月25日 株式会社テイエルブイ http://www.tlv.com/
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もうすぐ師走。冷え込みも厳しくなってきました。何かと忙しくなり体調も
崩しやすくなりますので、体調管理にはくれぐれもお気をつけください。
今月は、蒸気使用装置関連の情報をお伝えします。
装置の破損を招く「ヒートサイクル」とは?その仕組みと対策のご説明や
装置のバッチ時間を短縮する装置用スチームトラップのご紹介記事、
関東経済産業局・省エネルギーセンター共催の関東地区省エネ事例発表会
のご案内などをお届けします。
▼ INDEX ▼
==================================================================
■□ 【トラブル対策】
稼働中の蒸気使用設備・装置を故障・事故から守る!
~ 装置トラブルの前兆と対策 ~
ヒートサイクルによる熱交換器破損の対策を説明しています
■□ 【製品紹介】
蒸気使用装置に最適!バッチ時間短縮に貢献するトラップ
~ フリーフロートスチームトラップ JXシリーズ ~
TLVで一番売れているスチームトラップの秘密を紹介します
■□ 【連 載】
もっと知りたい蒸気のお話
~ スチームトラップの排出能力と安全率 ~
排出能力の考え方からトラップの選び方まで解説しています
■□ 【お知らせ】
まだ間に合います!省エネ事例発表の場ができました
~ 平成21年度 関東地区省エネ事例発表会 発表事例募集中 ~
募集要項はこちら
★ トピックス
★ ダウンロードサイトデータ更新情報
★ 編集後記(メンテナンス・テクノショー2009速報)
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このメールは、TLVメールマガジンをご希望の方に無料で配信しております。
配信停止やアドレス等の変更は以下またはccc@tlv.comまでお願い致します。
・配信停止
https://www.tlv.com/ja/contactform/contactj_form.php?id=S002
・アドレス等変更
https://www.tlv.com/ja/contactform/contactj_form.php?id=S003
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☆リンク先をご覧いただけない環境の方には、同内容の資料をお送りして
おります。ご希望の資料を明記の上、ccc@tlv.comまでご連絡下さい。
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■【トラブル対策】稼働中の蒸気使用設備・装置を故障・事故から守る!
┃ ~ ヒートサイクルによる熱交換器破損の前兆と対策 ~
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
▼ 突然の破損を招くヒートサイクル
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
蒸気を熱源に使用する装置のほとんどは金属を材料として作られており、その
多くは百数十℃から二百数十℃の温度で使用されます。
金属は比較的熱膨張率が大きく、温度が高くなると伸び量が大きくなります。
場所による温度差が大きいと、伸び量が大きい部分と小さい部分が生じ、
その結果装置が元の形状を保てないケースが出てきます。
変形によって局所的に力が加わると、部品が破断してしまうこともあります。
破断は、大きな力によって引き起こされるだけでなく、小さな力の繰り返し
でも起こり得ます。高温部分と低温部分が繰り返し発生することをヒートサイ
クルといいますが、この繰り返しが疲労破壊を招き装置破損に繋がるのです。
実際耳にする前兆としては「ミシミシ」「カチカチ」「ペキペキ」等の音で
現れます。
▼ ヒートサイクルの防止策
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
この対策としては、装置が繰り返し想定外の変形・歪みを起こさないよう、
原因となる偏った温度分布を装置内に生じさせないようにします。
蒸気使用装置でこのような温度分布が生じる最大の原因は、装置内部にドレン
が滞留してしまうストール現象と考えられます。
ストール現象が発生している熱交換器に大きな負荷変動があると、その都度、
温度の低い状態から高い状態またはその逆に、数十℃も温度変化する箇所が
出現します。このような箇所は想定外の変形・歪みを繰り返し受けることに
なり、破損の原因になるのです。
ストール現象が温度ムラやウォーターハンマーの原因となることは知られて
いますが、ヒートサイクルによる熱交換器破損の原因にもなります。
ストール現象を解消するには、装置内のドレンを強制的に排除します。
ホームページ上では、ヒートサイクルにより熱交換器が破損に至るメカニズム
とその解消方法を、アニメーションを用いて分かりやすく説明しています。
------>>ヒートサイクルによるトラブルの対策はこちら↓
http://www.tlv.com/ja/catalog/news111j.html
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■【製品紹介】蒸気使用装置に最適!バッチ時間短縮に貢献するトラップ
┃ ~ フリーフロートスチームトラップ JXシリーズ ~
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
▼ 蒸気使用装置に設置するなら!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
フリーフロートスチームトラップのJXシリーズは、蒸気を熱源とする様々な
装置に使用できることから、TLVのスチームトラップの中でも最も広く使用
されています。
シリーズ全体で、下は毎時数百kgから上は毎時数十トンまで、広い範囲の
ドレンをカバーします。
また、コンパクトでありながらドレンを連続排出し、
『大きなドレン排出能力を備えていること』
X-エレメント採用による
『強力な空気排除能力を持つ自動ブロー機構』
などが大きな特長です。
他にも多くの特長を持つJXシリーズですが、今回は装置用スチームトラップ
にとって特に重要な「空気排除能力」にフォーカスしてご紹介します。
▼ 装置用トラップの「空気排除能力」
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「原料の仕込み」→「加熱して次工程」というサイクルを繰り返すバッチ運転
を行なう装置では、加熱開始の度に蒸気を供給します。蒸気が供給される前は
装置の蒸気室に空気が入り込んでいますので、まずは空気を排除するのが最初
のステップとなります。
この加熱開始の都度行われる空気排除を効率良く行えるかどうかが、バッチ
時間全体に大きく影響します。つまり、スチームトラップの空気排除能力の
大きさがバッチ時間の鍵を握るのです。
JXシリーズはX-エレメントを採用した強力な空気排除機能を備えており、
短時間に大量の空気を排除することができます。
▼ X-エレメント採用により空気排除能力を強化
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
従来空気ブロー用に使用されてきたバイメタルは、100℃付近で作動して弁口
を閉じるため、高温の空気を排除できないという欠点がありましたが、
JXシリーズの採用しているX-エレメントは、蒸気圧力に応じて蒸気飽和温度
付近で作動するため、高温の空気まで排除します。
また、バイメタル方式より大きな弁口径を使用できるため、より短時間に空気
を排出することができます。もちろん、大きな弁口径はドレン排出能力の大き
さにも繋がります。
強力な空気排除能力とドレンの連続排出により、装置用スチームトラップと
して優れた性能を発揮し、数多く使用されているJXシリーズ。
貴方の装置のバッチ運転時間短縮にも効果を発揮することでしょう。
------>>フリーフロートスチームトラップ JXシリーズの詳細はこちら↓
http://www.tlv.com/ja/catalog/news126j.html
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃(彡(彡)彡)【連載】もっと知りたい蒸気のお話
┃ (彡(彡) ~ スチームトラップの排出能力と安全率 ~
┗━(彡)━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━第63話━━
▼ トラップ排出能力表からわかること
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
スチームトラップがドレンを排出する能力は排出能力線図で示され、ある作動
圧力差における排出ドレン量がわかるようになっています。
この排出ドレン量は、実際の作動状態での値ではない点に注意をする必要が
あります。
例えば、作動に温度が関係する方式のスチームトラップは、ドレン温度が異な
れば弁のリフト量が違ったり、弁の開閉作動頻度が違ったりします。
それらの違いが排出ドレン量に与える影響が大きいため、何℃のドレンを排出
しているときの値を示しているかということは大きな問題です。
本稿ではスチームトラップの排出能力について考えてみます。
▼ ドレン排出能力の考え方
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
スチームトラップがドレンを排出する能力の検査方法は
『JIS B 8401 蒸気トラップ』
でも定められており、その測定方法は以下のように定義されています。
「排出量試験は、トラップの入口側圧力を指定圧力とし、出口側を大気に開放
して、飽和水又はそれに近い状態の温水(サーモスタチックトラップの場合は
指定温度の温水)を連続排出させて、その排出量及び排出時間を測定し、
1時間当たりの排出量を算出する。
測定は、最高使用圧力までの適当な圧力3点以上で測定して、圧力-排出量
曲線を作成し、トラップ入口側の飽和水又は温水の温度を明示する。」
ここで重要なポイントは、連続排出しているときの排出量を計測して、1時間
当たりの排出量に換算していることです。
例えば、30秒連続でドレンを排出させたときに2kgのドレン量が測定されたと
した場合、2kg×(3600÷30)=240kg → 240kg/hとするわけです。
間欠作動するスチームトラップは、開弁時間と閉弁時間が存在しますので、
実際の使用において1時間連続排出し続けるということはありません。つまり、
正味の排出量より大きな値が示されていると考えた方が良いでしょう。逆に、
連続排出作動を行なうスチームトラップでは正味の排出量とみなせます。
また、前述のようにスチームトラップの機構によっては、同じように連続排出
をしていても、ドレン温度の違いで弁のリフト量が異なりドレン量が変わって
くる物もあります。一般的に、飽和温度に近い温度のドレンを排出する時の方
が、温度が低いドレンを排出する時の量よりも、少ないことが多いようです。
メーカー・製品によっては、温度の高いドレンを排出する時と、低いドレンを
排出する時の2つの能力の排出能力線図を用意していることがあります。
▼ 排出能力に対する安全率
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
スチームトラップのカタログを見てみると、どのメーカーでもスチームトラッ
プのタイプによって異なる安全率を設けています。例えば、間欠作動のタイプ
は2倍~3倍の安全率が、作動の緩慢なタイプでは5倍程度の安全率が推奨され
ています。
この安全率も 排出能力表の値と実作動における正味の排出量との間にギャッ
プがあるため設けられたものですが、トラップの作動形態等とは無関係に確保
しておくべき意味があります。
その意味とは、計画しているドレン量以上にドレンを処理しなければならなく
なった場合にも、装置運転に与える悪影響を最小限にすることです。
想定よりも仕込み時の被加熱物温度が低かったり、想定していたよりも短時間
で昇温しなければならなくなったりすると、ドレン発生量は増加します。
これをカバーするために安全率を確保します。
▼ 長寿命はゆとりから
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
想定されるドレン量に対して排出能力に余裕を持たせることは、スチームト
ラップの故障や寿命に対しての安全も見ていることになります。
排水能力一杯のところで使用すれば、トラップ内部のドレン経路をドレンが
長時間高速で流れることになり、エロージョンの進行が早くなる懸念があり
ます。また間欠作動のタイプは弁の開閉頻度が高くなり、部品の摩耗進行が
早くなる懸念があります。
このような環境下では、例えスペックを満たしていても比較的短期間で故障
が発生する可能性が出てきます。
できるだけ余裕を持たせて、長く大事に使用したいものです。
------>>トラップの排出能力と安全率について以下で図解しています↓
http://www.tlv.com/ja/steam_story/0911haisyutu_nouryoku.html
……………………………………(答えは上記リンク先↑の末尾に掲載)・.☆
☆ここで問題 ★ プチ・クイズ
「『ドレン温度が異なれば弁のリフト量が異なるスチームトラップ』が
そのように作動する理由は何でしょう。」
A.温度の違いで排出ドレンの比体積が異なるため
B.弁の開閉機構に温度を利用しているため
C.温度が低いと開弁動作に時間がかかるため
………………………………………………………………………………………☆
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■【お知らせ】まだ間に合います!省エネ事例発表の場ができました
┃ ~ 平成21年度 関東地区省エネ事例発表会 発表事例募集中~
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
昨年度まで行われてきた省エネルギー実施優秀事例表彰の制度が変わり、
本年度から「省エネ大賞」の一部門として表彰されることとなりました。
それに伴い、選考方法も変更になったことはご存じの方も多いと思います。
従来は各地区で省エネルギー優秀事例発表地区大会が開催され、そこで選出
された事例が全国大会に進む方式でしたが、「省エネ大賞」では地区大会が
無くなり、全国から一律に応募する方式になりました。
(※尚、平成21年度省エネ大賞の募集は9月末で締め切られました)
発表は受賞事例のみになる見込みですので、残念ながら発表される事例の数
は減ってしまうことになります。
この改善策として、省エネ改善に取り組んでおられる皆様の発表の機会を
増やそうと、省エネ大賞とは別の事例発表の場である
『平成21年度 関東地区省エネ事例発表大会』
が、関東経済産業局と省エネルギーセンター共催で開催される運びとなり
ました。
申込期限まであまり日がありませんが、発表内容原稿の提出は来年1月20日
ですので、「資料は既に揃っている」という方は是非チャレンジされては
いかがでしょうか。
◇ 申込期日 :2009年12月11日(金)
◇ 原稿締め切り:2010年1月20日(水)
◇ 発表会日時 :2010年3月2日(火)、3日(水)の2日間
◇ 発表会会場 :東京・虎ノ門「発明会館」(東京都港区虎ノ門2-9-14)
------>>申込方法等詳細は省エネルギーセンターの案内ページをご覧下さい
http://www.eccj.or.jp/succase/09_kanto/index.html
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★ トピックス
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☆三菱ガス化学株式会社水島工場様を会場に、地域交流メンテナンス情報
交換会を開催致しました。セミナーレポートはこちらをご覧ください。
http://www.tlv.com/ja/seminar/s-m2_091023_report.html
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★ TLVサイト会員ページ・ダウンロードデータ更新情報
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
TLVサイト会員ページで公開しているCADデータ(外観図)、取扱説明書の
更新情報をお知らせ致します。
☆取扱説明書を修正しました
BB1N/BBF1N(英文)
HR150A/HR260A(英文)
FS21-L/FS21-H(英文)
FJ32D-X(J32D-X)(英文)
FJ32D-B(J32D-B)(英文)
(R-)PB10A(F)N/(R-)PB10B(F)N(英文)
MB12(和文・英文)
※TLVサイト会員ページでは、CADデータ(外観図)・取扱説明書のダウン
ロードができます。会員登録・ご利用は無料です。ログインはこちら↓
http://www.tlv.com/rus/?u=dl&c=8&m=113&p=H
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★ 編集後記
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
最後までお読みいただきありがとうございます。
先日、メンテナンステクノショー2009が東京ビッグサイトで開催され、
盛況のうちに閉幕しました。
事前にホームページとメールマガジンで同展示会をご案内したところ、
多数の招待状お申込み、事前デモ予約お申込みを頂きました。
お申込み頂いた方々にはこの場を借りてお礼申し上げます。
ありがとうございました!
私は展示会場には行けませんでしたが、参加したスタッフは
「各ブース共、全体的に従来よりシンプルながら様々な工夫を凝らし、
来場者の方々もとても熱心な様子だった。」と申しておりました。
またこの様子は来月のメルマガでもご紹介します。
皆様の中にも「メンテテクノショーに行ってきた」「TLVのデモを見た」
という方がいらっしゃれば是非ご感想をお寄せください♪
次号のTLVメールマガジンは、いつもより少し早い12月15日(火)配信
の予定です。お楽しみに!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
☆リンク先をご覧いただけない環境の方には、同内容の資料をお送りして
おります。ご希望の資料を明記の上、ccc@tlv.comまでご連絡下さい。
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~ 装置トラブルの前兆と対策 ~
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・配信停止
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・アドレス等変更
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■【トラブル対策】稼働中の蒸気使用設備・装置を故障・事故から守る!
┃ ~ ヒートサイクルによる熱交換器破損の前兆と対策 ~
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▼ 突然の破損を招くヒートサイクル
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
蒸気を熱源に使用する装置のほとんどは金属を材料として作られており、その
多くは百数十℃から二百数十℃の温度で使用されます。
金属は比較的熱膨張率が大きく、温度が高くなると伸び量が大きくなります。
場所による温度差が大きいと、伸び量が大きい部分と小さい部分が生じ、
その結果装置が元の形状を保てないケースが出てきます。
変形によって局所的に力が加わると、部品が破断してしまうこともあります。
破断は、大きな力によって引き起こされるだけでなく、小さな力の繰り返し
でも起こり得ます。高温部分と低温部分が繰り返し発生することをヒートサイ
クルといいますが、この繰り返しが疲労破壊を招き装置破損に繋がるのです。
実際耳にする前兆としては「ミシミシ」「カチカチ」「ペキペキ」等の音で
現れます。
▼ ヒートサイクルの防止策
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
この対策としては、装置が繰り返し想定外の変形・歪みを起こさないよう、
原因となる偏った温度分布を装置内に生じさせないようにします。
蒸気使用装置でこのような温度分布が生じる最大の原因は、装置内部にドレン
が滞留してしまうストール現象と考えられます。
ストール現象が発生している熱交換器に大きな負荷変動があると、その都度、
温度の低い状態から高い状態またはその逆に、数十℃も温度変化する箇所が
出現します。このような箇所は想定外の変形・歪みを繰り返し受けることに
なり、破損の原因になるのです。
ストール現象が温度ムラやウォーターハンマーの原因となることは知られて
いますが、ヒートサイクルによる熱交換器破損の原因にもなります。
ストール現象を解消するには、装置内のドレンを強制的に排除します。
ホームページ上では、ヒートサイクルにより熱交換器が破損に至るメカニズム
とその解消方法を、アニメーションを用いて分かりやすく説明しています。
------>>ヒートサイクルによるトラブルの対策はこちら↓
http://www.tlv.com/ja/catalog/news111j.html
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■【製品紹介】蒸気使用装置に最適!バッチ時間短縮に貢献するトラップ
┃ ~ フリーフロートスチームトラップ JXシリーズ ~
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
▼ 蒸気使用装置に設置するなら!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
フリーフロートスチームトラップのJXシリーズは、蒸気を熱源とする様々な
装置に使用できることから、TLVのスチームトラップの中でも最も広く使用
されています。
シリーズ全体で、下は毎時数百kgから上は毎時数十トンまで、広い範囲の
ドレンをカバーします。
また、コンパクトでありながらドレンを連続排出し、
『大きなドレン排出能力を備えていること』
X-エレメント採用による
『強力な空気排除能力を持つ自動ブロー機構』
などが大きな特長です。
他にも多くの特長を持つJXシリーズですが、今回は装置用スチームトラップ
にとって特に重要な「空気排除能力」にフォーカスしてご紹介します。
▼ 装置用トラップの「空気排除能力」
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「原料の仕込み」→「加熱して次工程」というサイクルを繰り返すバッチ運転
を行なう装置では、加熱開始の度に蒸気を供給します。蒸気が供給される前は
装置の蒸気室に空気が入り込んでいますので、まずは空気を排除するのが最初
のステップとなります。
この加熱開始の都度行われる空気排除を効率良く行えるかどうかが、バッチ
時間全体に大きく影響します。つまり、スチームトラップの空気排除能力の
大きさがバッチ時間の鍵を握るのです。
JXシリーズはX-エレメントを採用した強力な空気排除機能を備えており、
短時間に大量の空気を排除することができます。
▼ X-エレメント採用により空気排除能力を強化
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
従来空気ブロー用に使用されてきたバイメタルは、100℃付近で作動して弁口
を閉じるため、高温の空気を排除できないという欠点がありましたが、
JXシリーズの採用しているX-エレメントは、蒸気圧力に応じて蒸気飽和温度
付近で作動するため、高温の空気まで排除します。
また、バイメタル方式より大きな弁口径を使用できるため、より短時間に空気
を排出することができます。もちろん、大きな弁口径はドレン排出能力の大き
さにも繋がります。
強力な空気排除能力とドレンの連続排出により、装置用スチームトラップと
して優れた性能を発揮し、数多く使用されているJXシリーズ。
貴方の装置のバッチ運転時間短縮にも効果を発揮することでしょう。
------>>フリーフロートスチームトラップ JXシリーズの詳細はこちら↓
http://www.tlv.com/ja/catalog/news126j.html
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┃(彡(彡)彡)【連載】もっと知りたい蒸気のお話
┃ (彡(彡) ~ スチームトラップの排出能力と安全率 ~
┗━(彡)━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━第63話━━
▼ トラップ排出能力表からわかること
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
スチームトラップがドレンを排出する能力は排出能力線図で示され、ある作動
圧力差における排出ドレン量がわかるようになっています。
この排出ドレン量は、実際の作動状態での値ではない点に注意をする必要が
あります。
例えば、作動に温度が関係する方式のスチームトラップは、ドレン温度が異な
れば弁のリフト量が違ったり、弁の開閉作動頻度が違ったりします。
それらの違いが排出ドレン量に与える影響が大きいため、何℃のドレンを排出
しているときの値を示しているかということは大きな問題です。
本稿ではスチームトラップの排出能力について考えてみます。
▼ ドレン排出能力の考え方
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
スチームトラップがドレンを排出する能力の検査方法は
『JIS B 8401 蒸気トラップ』
でも定められており、その測定方法は以下のように定義されています。
「排出量試験は、トラップの入口側圧力を指定圧力とし、出口側を大気に開放
して、飽和水又はそれに近い状態の温水(サーモスタチックトラップの場合は
指定温度の温水)を連続排出させて、その排出量及び排出時間を測定し、
1時間当たりの排出量を算出する。
測定は、最高使用圧力までの適当な圧力3点以上で測定して、圧力-排出量
曲線を作成し、トラップ入口側の飽和水又は温水の温度を明示する。」
ここで重要なポイントは、連続排出しているときの排出量を計測して、1時間
当たりの排出量に換算していることです。
例えば、30秒連続でドレンを排出させたときに2kgのドレン量が測定されたと
した場合、2kg×(3600÷30)=240kg → 240kg/hとするわけです。
間欠作動するスチームトラップは、開弁時間と閉弁時間が存在しますので、
実際の使用において1時間連続排出し続けるということはありません。つまり、
正味の排出量より大きな値が示されていると考えた方が良いでしょう。逆に、
連続排出作動を行なうスチームトラップでは正味の排出量とみなせます。
また、前述のようにスチームトラップの機構によっては、同じように連続排出
をしていても、ドレン温度の違いで弁のリフト量が異なりドレン量が変わって
くる物もあります。一般的に、飽和温度に近い温度のドレンを排出する時の方
が、温度が低いドレンを排出する時の量よりも、少ないことが多いようです。
メーカー・製品によっては、温度の高いドレンを排出する時と、低いドレンを
排出する時の2つの能力の排出能力線図を用意していることがあります。
▼ 排出能力に対する安全率
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
スチームトラップのカタログを見てみると、どのメーカーでもスチームトラッ
プのタイプによって異なる安全率を設けています。例えば、間欠作動のタイプ
は2倍~3倍の安全率が、作動の緩慢なタイプでは5倍程度の安全率が推奨され
ています。
この安全率も 排出能力表の値と実作動における正味の排出量との間にギャッ
プがあるため設けられたものですが、トラップの作動形態等とは無関係に確保
しておくべき意味があります。
その意味とは、計画しているドレン量以上にドレンを処理しなければならなく
なった場合にも、装置運転に与える悪影響を最小限にすることです。
想定よりも仕込み時の被加熱物温度が低かったり、想定していたよりも短時間
で昇温しなければならなくなったりすると、ドレン発生量は増加します。
これをカバーするために安全率を確保します。
▼ 長寿命はゆとりから
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
想定されるドレン量に対して排出能力に余裕を持たせることは、スチームト
ラップの故障や寿命に対しての安全も見ていることになります。
排水能力一杯のところで使用すれば、トラップ内部のドレン経路をドレンが
長時間高速で流れることになり、エロージョンの進行が早くなる懸念があり
ます。また間欠作動のタイプは弁の開閉頻度が高くなり、部品の摩耗進行が
早くなる懸念があります。
このような環境下では、例えスペックを満たしていても比較的短期間で故障
が発生する可能性が出てきます。
できるだけ余裕を持たせて、長く大事に使用したいものです。
------>>トラップの排出能力と安全率について以下で図解しています↓
http://www.tlv.com/ja/steam_story/0911haisyutu_nouryoku.html
……………………………………(答えは上記リンク先↑の末尾に掲載)・.☆
☆ここで問題 ★ プチ・クイズ
「『ドレン温度が異なれば弁のリフト量が異なるスチームトラップ』が
そのように作動する理由は何でしょう。」
A.温度の違いで排出ドレンの比体積が異なるため
B.弁の開閉機構に温度を利用しているため
C.温度が低いと開弁動作に時間がかかるため
………………………………………………………………………………………☆
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■【お知らせ】まだ間に合います!省エネ事例発表の場ができました
┃ ~ 平成21年度 関東地区省エネ事例発表会 発表事例募集中~
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昨年度まで行われてきた省エネルギー実施優秀事例表彰の制度が変わり、
本年度から「省エネ大賞」の一部門として表彰されることとなりました。
それに伴い、選考方法も変更になったことはご存じの方も多いと思います。
従来は各地区で省エネルギー優秀事例発表地区大会が開催され、そこで選出
された事例が全国大会に進む方式でしたが、「省エネ大賞」では地区大会が
無くなり、全国から一律に応募する方式になりました。
(※尚、平成21年度省エネ大賞の募集は9月末で締め切られました)
発表は受賞事例のみになる見込みですので、残念ながら発表される事例の数
は減ってしまうことになります。
この改善策として、省エネ改善に取り組んでおられる皆様の発表の機会を
増やそうと、省エネ大賞とは別の事例発表の場である
『平成21年度 関東地区省エネ事例発表大会』
が、関東経済産業局と省エネルギーセンター共催で開催される運びとなり
ました。
申込期限まであまり日がありませんが、発表内容原稿の提出は来年1月20日
ですので、「資料は既に揃っている」という方は是非チャレンジされては
いかがでしょうか。
◇ 申込期日 :2009年12月11日(金)
◇ 原稿締め切り:2010年1月20日(水)
◇ 発表会日時 :2010年3月2日(火)、3日(水)の2日間
◇ 発表会会場 :東京・虎ノ門「発明会館」(東京都港区虎ノ門2-9-14)
------>>申込方法等詳細は省エネルギーセンターの案内ページをご覧下さい
http://www.eccj.or.jp/succase/09_kanto/index.html
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★ トピックス
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☆三菱ガス化学株式会社水島工場様を会場に、地域交流メンテナンス情報
交換会を開催致しました。セミナーレポートはこちらをご覧ください。
http://www.tlv.com/ja/seminar/s-m2_091023_report.html
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★ TLVサイト会員ページ・ダウンロードデータ更新情報
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TLVサイト会員ページで公開しているCADデータ(外観図)、取扱説明書の
更新情報をお知らせ致します。
☆取扱説明書を修正しました
BB1N/BBF1N(英文)
HR150A/HR260A(英文)
FS21-L/FS21-H(英文)
FJ32D-X(J32D-X)(英文)
FJ32D-B(J32D-B)(英文)
(R-)PB10A(F)N/(R-)PB10B(F)N(英文)
MB12(和文・英文)
※TLVサイト会員ページでは、CADデータ(外観図)・取扱説明書のダウン
ロードができます。会員登録・ご利用は無料です。ログインはこちら↓
http://www.tlv.com/rus/?u=dl&c=8&m=113&p=H
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★ 編集後記
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最後までお読みいただきありがとうございます。
先日、メンテナンステクノショー2009が東京ビッグサイトで開催され、
盛況のうちに閉幕しました。
事前にホームページとメールマガジンで同展示会をご案内したところ、
多数の招待状お申込み、事前デモ予約お申込みを頂きました。
お申込み頂いた方々にはこの場を借りてお礼申し上げます。
ありがとうございました!
私は展示会場には行けませんでしたが、参加したスタッフは
「各ブース共、全体的に従来よりシンプルながら様々な工夫を凝らし、
来場者の方々もとても熱心な様子だった。」と申しておりました。
またこの様子は来月のメルマガでもご紹介します。
皆様の中にも「メンテテクノショーに行ってきた」「TLVのデモを見た」
という方がいらっしゃれば是非ご感想をお寄せください♪
次号のTLVメールマガジンは、いつもより少し早い12月15日(火)配信
の予定です。お楽しみに!
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☆リンク先をご覧いただけない環境の方には、同内容の資料をお送りして
おります。ご希望の資料を明記の上、ccc@tlv.comまでご連絡下さい。
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