TLV蒸気と省エネメールマガジン
2014/09/30 Vol.133
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■■■ TLVメールマガジン Vol.133
■ ~ 蒸気を通して省エネ・環境を考える ~
■ 2014年09月30日 株式会社テイエルブイ http://www.tlv.com/
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朝晩涼しくなり、過ごしやすい季節になってきましたね。
毎日一万歩歩く当社のスタッフも、運動しやすくなったと喜んでいます。
今月は、パワートラップ GP/GTシリーズの新製品をご紹介します。
電気不要で工事がカンタンなドレン回収ポンプ GPシリーズ。
装置の破損、温度ムラの原因となるドレン滞留を防ぐ、
ポンプ機能内蔵スチームトラップ GTシリーズ。
このシリーズに、高圧対応の新機種 GP14M、GT14Mが加わりました。
段ボール・製紙工場など、圧力が高い回収系統への圧送用途に最適で、
熱回収率アップや白煙解消に貢献します。
連載記事では「ドレン回収配管の設計」をご説明します。
水配管とは異なる、蒸気とドレンの「二相流配管」とは?
イメージを再現したイラストは必見です。
また、TLVが定期開催している蒸気の省エネセミナーと回転機芯出しセミナー
の今年度下半期スケジュールもご案内しています。
43年の実績を持ち、年間2,000名以上の方が受講される人気のセミナーです。
既に満席のコースもありますので、是非お早目にチェックしてみてください。
▼ INDEX ▼
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■□【保存版】
お待たせしました!2014年度下半期TLVセミナースケジュールご案内
~ 蒸気セミナー・回転機の芯出しセミナーを千葉・兵庫で定期開催 ~
■□【新製品】
段ボール・製紙工場等のドレン回収に!新・高圧用パワートラップ
~ 電気不要ドレン回収ポンプ GP14M/ポンプ機能内蔵トラップ GT14M ~
■□【連 載】
もっと知りたい蒸気のお話
~ ドレン回収配管の設計 ~
★ トピックス(新発売!低コストで自動制御を行う空気式制御弁)
★ TLVサイト会員ページ・ダウンロードデータ更新情報
★ 編集後記 (前回記事「液体配管の空気抜き」へのご質問)
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■【保存版】2014年度下半期TLVセミナースケジュールご案内
┃ ~ 蒸気セミナー・回転機の芯出しセミナーを千葉・兵庫で定期開催 ~
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TLVでは、蒸気の省エネに関する【スチーム・アカデミー・セミナー】と
回転機の芯出しに関する【トレーニング・セミナー】を定期的に
- TLV加古川本社会場 (兵庫県加古川市)
- TLV東京CESセンター会場 (千葉県市川市)
の2会場で開催しています。
http://www.tlv.com/ja/seminar/seminar.html
この2014年度下半期スケジュールが決まりましたのでご案内致します。
■各コースの内容と2014年度下半期スケジュール
◇ スチーム・アカデミー・セミナー【アカデミー・コース】~入門編
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
:蒸気の基礎から蒸気の有効利用による省エネ、生産性向上のポイントまで
改善事例をベースに実演を交えながら学べます。
これから蒸気を学びたい方、設備の改善・企画をされている工務・設備・
設計・製造部門のスタッフ・管理者の方など、幅広い方々にお勧めです。
http://www.tlv.com/ja/seminar/s-a1-r.html
▽ スケジュール ※加古川・東京両会場で同日開催です。
2014年 10月14日(火)~15日(水)※東京会場は満席です
11月10日(月)~11日(火)※東京会場は満席です
12月 8日(月)~ 9日(火)
2月16日(月)~17日(火)
3月16日(月)~17日(火)
◇ スチーム・アカデミー・セミナー【エンジニアリング・コース】~設計編
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
:最適な蒸気システムや、高効率で安全な蒸気システム構築のための設計
のポイント等が学べます。蒸気配管・ドレン回収配管設計、排熱回収
メリット等、すぐに実務に使える計算手法の実習・演習も行います。
蒸気プラントの基本設計や配管設計、制御システムの構築等を担当される
設計・工務・エンジニアリング部門の方にお勧めです。
(アカデミー・コースに続いての受講がより効果的です)
http://www.tlv.com/ja/seminar/s-a3-r.html
▽ スケジュール ※加古川・東京両会場で同日開催です。
2014年 10月16日(木)
12月10日(水)
2月18日(水)
◇ トレーニング・セミナー【レーザー式軸芯出し】
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
:芯出しの基礎知識からレーザー式軸芯出し器を用いた診断・修正方法に
ついて、実習を中心に学べます。
これから芯出しについて学びたい方、レーザー式軸芯出し器の導入検討中
または導入済みの方にお勧めします。
http://www.tlv.com/ja/seminar/s-b2-r.html
▽ スケジュール
2014年 12月11日(木) ※東京CESセンター会場
3月18日(水) ※加古川本社会場
※各コースとも、お申込み期限は開催日の1週間前です。期限前であっても
定員となり次第申込みを締め切らせていただきますので、お早めにお申込み
ください。
------>>【Web割引もあります!】セミナーへのお申込みはこちら↓
http://www.tlv.com/ja/seminar/seminar.html#schedule
------>>セミナー参加者の声も掲載しています↓
http://www.tlv.com/ja/seminar/s-comment.html
☆セミナーの予習・復習にどうぞ☆
『蒸気検定』はこちら↓ 初級・中級・上級 あなたはどのレベル?
http://www.tlv.com/ja/kentei/index.html
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■【新製品】段ボール・製紙工場等のドレン回収に!新・高圧パワートラップ
┃ ~電気不要ドレン回収ポンプ GP14M/ポンプ機能内蔵トラップ GT14M~
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電気不要で工事がカンタンなのに、ドレンをしっかり回収する
ドレン回収ポンプ GPシリーズ。
ヒーターの破損、熱交換器の温度ムラをドレン滞留の解消によって防ぐ
ポンプ機能内蔵スチームトラップ GTシリーズ。
大好評のこれら『パワートラップ』に、高圧対応の新機種 GP14M、GT14Mが
加わりました。
▼ 最高使用圧力1.4MPaGの高圧対応
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
これまで、パワートラップの最高使用圧力は1.05MPaGが上限でしたが、
GP14M/GT14Mはパワートラップの中でも最も高圧で使用でき、
最高使用圧力は1.4MPaGです。
ボディの耐圧強度を高めただけではなく、スナップアクションユニットなど
内部機構の見直しによって高圧でもスムーズに作動できるよう工夫しました。
▼ 高圧対応のポンプで熱回収率アップ!白煙解消!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
1.4MPaGまで対応する高圧仕様は、以下のような圧力が高い回収系統への
圧送用途に最適です。
- 段ボール製造工場(コルゲートマシン)のドレン回収
- 製紙工場(抄紙機)のドレン回収
通常、これらの工場ではドレン回収システムとして、高圧系統はボイラー
へ直接回収する「クローズド回収」が採用されています。
しかし、低圧の系統はクローズド回収系統とは別に、給水タンクへオープン
回収されているケースが多く、放熱ロスによる熱回収率の低減や、フラッシュ
蒸気による白煙等の問題に悩まされているところが少なくありません。
このようなケースでも、高圧対応のパワートラップGP14M/GT14Mを使えば、
低圧系統のドレンを高圧系統のクローズド回収ラインに押し込むことができ、
熱ロス低減と白煙解消が果たせます。
▼ コンパクトなのに大容量・低流入水頭で多くの設備に対応
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
GP14M/GT14Mは、大容量モデルGP10/GT10よりも高さと前後長さが150mm小さく
小型のGP10M/GT10Mと比べても高さと前後長さが50mm大きいだけです。
このコンパクト・ボディでありながら、GP10M/GT10Mの最大1.6倍の圧送能力
を持ち、GP14Mは最大4t/h、GT14Mは最大3.4t/hまで圧送することができます。
更に、球形フォルムと専用逆止弁の採用により、流入水頭を350mmまで下げる
ことにも成功。ドレン出口が低い設備にもそのまま設置することが可能です。
※注:流入水頭を下げると最大圧送能力は減少します。流入水頭350mmの
場合、圧送能力は標準流入水頭630mm時に比べて約60%に減少します。
---->>高圧対応!電気不要のドレン回収ポンプ GP14Mの詳細はこちら
http://www.tlv.com/ja/catalog/news93j.html
---->>高圧対応!ポンプ機能内蔵スチームトラップ GT14Mの詳細はこちら
http://www.tlv.com/ja/catalog/news92j.html
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┃(彡(彡)彡)【連載】もっと知りたい蒸気のお話
┃ (彡(彡) ~ ドレン回収配管の設計 ~
┗━(彡)━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━第116話━━
▼ 蒸気ドレンを流す配管
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ドレンを流すための配管は、ドレン回収配管や還水配管と呼ばれます。
ドレンは“凝縮水”なので、水配管の設計基準で設計すれば良いと誤解される
ことがありますが、単なる水配管とみなして設計すると失敗します。
ドレン回収配管には、少々特殊な「二相流」の設計が必要です。
ここで言う二相流とは気相である蒸気と液相であるドレンが混ざっている流れ
です。液相と気相が層状に分離している流れという意味ではありませんので
ご注意ください。
▼ 蒸気の存在
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
では、なぜドレン回収配管では蒸気の存在を考慮しなければならないので
しょうか?これには再蒸発現象が関係しています。
再蒸発現象はフラッシュ現象とも呼ばれ、高圧ドレンが低圧にさらされたとき
ドレン自体の一部が蒸気に変化する現象です。
※再蒸発蒸気については「フラッシュ蒸気」をご参照ください。
http://www.tlv.com/ja/steam_story/0708flash_steam2.html
飽和蒸気と飽和水の比体積比は1000倍以上あります。
ということは、同じドレン量であったとしても、フラッシュ率によって
蒸気とドレンの比率が変わり、設計も大きく変わることになります。
フラッシュ蒸気の発生が無ければ水配管とみなした設計ができ、フラッシュ
蒸気量が多ければほとんど蒸気配管に近い設計になります。
▼ 二相流配管と水配管
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
トラップからドレンヘッダーや大気開放のタンクまでの間は、フラッシュ蒸気
とドレンが混走する二相流配管として、フラッシュ蒸気の体積を見込んで設計
する必要があります。
ポンプ手前のドレンヘッダーで気液分離した場合、フラッシュ蒸気はドレン
回収配管外へ排出されます。これ以降の配管(ポンプ二次側の配管も含む)は
水配管の設計になります。
▼ 等価比容積に基づく配管設計
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
二相流配管は、配管としても「水配管と蒸気配管の中間」と言えます。
これではあいまいなので、TLVでは再蒸発の量、つまりフラッシュ率に応じて
水に近いのか蒸気に近いのか判断することにしています。
この判断を行う際に用いるのが、等価比容積という概念です。
平均体積のようなものと考えれば良いでしょう。実際の還水配管設計では、
この等価比容積によって許容上限流速が定まり、それに基づいて配管径を
決めていきます。
実際の手順は少々複雑なのでここでは割愛します。ご興味のある方は
テクニカルハンドブック「ドレンの排出と回収」をご参照ください。
http://www.tlv.com/ja/handbook/hb_condensate.html
------>>ドレン回収配管の設計について以下で図解しています↓
http://www.tlv.com/ja/steam_story/1212condensate_recovery_4.html
☆今月の蒸気のお話はいかがでしたか?
参考になった/ならなかった、今後こんな内容を取り上げて欲しいなど、
皆様のご感想をお待ちしております!
https://www.tlv.com/ja/enquete/enquete_form.php?id=S001&ss_topic=93
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★ トピックス
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☆低コストで自動制御が行える蒸気用空気式制御弁 PN-COSR 新発売!
防爆域、高温・高湿環境、水濡れOKで、遠隔操作可能な減圧弁としても
使用できます。
http://www.tlv.com/ja/catalog/pn-cosr.html
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★ TLVサイト会員ページ・ダウンロードデータ更新情報
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
TLVサイト会員ページで公開しているCADデータ(外観図)、取扱説明書の
更新情報をお知らせ致します。
☆取扱説明書(和文)を新規公開しました
PN-COSR-16
☆取扱説明書(和文)を修正しました
PN-COS-16
☆取扱説明書(英文)を修正しました
J3S-X/J5S-X/J6S-X
☆取扱説明書(和文・英文)を修正しました
GP10L/GT10L/GP10M/GT10M/GP14M/GT14M
SS3-E/SS3-P/SS3-EP
SS5-P/SS5-EP
VS3-E/VS3-P/VS3-EP
SF1
V1P/V2P
※TLVサイト会員ページでは、CADデータ(外観図)・取扱説明書のダウン
ロードができます。会員登録・ご利用は無料です。ログインはこちら↓
https://www.tlv.com/ja/download/login.php
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★ 編集後記
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最後までお読みいただきありがとうございます。
前回のメールマガジン記事「液体配管の空気抜き」に対して、
http://www.tlv.com/ja/steam_story/1003air_vent.html
以下内容のご質問をいただきましたので、回答も含めて
この場でご紹介させていただきます。
【ご質問】(抜粋)
:弊社のポンプも吸入ラインに気泡が発生することで、ポンプが
キャビテーションを起こすことがあります。
渦巻きポンプですので十分なNPSHを与えておけば問題ないのですが、
吸入ライン内の圧力低下により気泡が発生した場合に空気抜きがあれば
余分なNPSHを与える必要はないかと思うのですが。
【ご回答】
:ポンプの吸込み側などで圧力低下によって発生する気泡の正体は、混入した
空気ではありません。これは、圧力低下により飽和温度が下がることで
液自体が蒸発して気体が発生している「キャビテーション」の状態です。
液自体が発生源なので、空気抜き弁で気体を抜いてもきりがなく、解決策
にはなりません。そのため、やはり対策としては、気体を発生させないこと
=気体が発生しないだけのNPSHを満たす必要があります。
紛らわしいので誤解をされる方も多いのですが、同じ「気体を排除する」
対策でも、この場合は空気抜き弁で排気するのではなく、
気体の発生自体を防ぐキャビテーション対策が有効です。
これはどのような用途の場合も共通です。
ポンプのキャビテーションに関しては、以下の蒸気のお話を↓
http://www.tlv.com/ja/steam_story/1406cavitation.html
高所からの落とし込みに関しては、以下の蒸気のお話をご参照ください↓
http://www.tlv.com/ja/steam_story/1212condensate_recovery_3.html
ご質問いただいたお蔭で、記事を補足する良い機会となりました。
ご質問をお寄せくださった大阪府の男性の方、ありがとうございました。
他にもご質問やご意見等ございましたら、いつでもお気軽にお寄せください。
https://www.tlv.com/ja/contactform/contactj_form.php?id=H081&em=&rus=1
来月のメールマガジンは10月28日頃配信予定です。
どうぞお楽しみに。
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☆TLVのメールマガジンは『蒸気と省エネ』だけではありません!
『保全と検査メールマガジン』の概要・バックファイル・ご登録はこちら
http://www.tlv.com/ja/mail_magazine/index.html
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■■■ TLVメールマガジン Vol.133
■ ~ 蒸気を通して省エネ・環境を考える ~
■ 2014年09月30日 株式会社テイエルブイ http://www.tlv.com/
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朝晩涼しくなり、過ごしやすい季節になってきましたね。
毎日一万歩歩く当社のスタッフも、運動しやすくなったと喜んでいます。
今月は、パワートラップ GP/GTシリーズの新製品をご紹介します。
電気不要で工事がカンタンなドレン回収ポンプ GPシリーズ。
装置の破損、温度ムラの原因となるドレン滞留を防ぐ、
ポンプ機能内蔵スチームトラップ GTシリーズ。
このシリーズに、高圧対応の新機種 GP14M、GT14Mが加わりました。
段ボール・製紙工場など、圧力が高い回収系統への圧送用途に最適で、
熱回収率アップや白煙解消に貢献します。
連載記事では「ドレン回収配管の設計」をご説明します。
水配管とは異なる、蒸気とドレンの「二相流配管」とは?
イメージを再現したイラストは必見です。
また、TLVが定期開催している蒸気の省エネセミナーと回転機芯出しセミナー
の今年度下半期スケジュールもご案内しています。
43年の実績を持ち、年間2,000名以上の方が受講される人気のセミナーです。
既に満席のコースもありますので、是非お早目にチェックしてみてください。
▼ INDEX ▼
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お待たせしました!2014年度下半期TLVセミナースケジュールご案内
~ 蒸気セミナー・回転機の芯出しセミナーを千葉・兵庫で定期開催 ~
■□【新製品】
段ボール・製紙工場等のドレン回収に!新・高圧用パワートラップ
~ 電気不要ドレン回収ポンプ GP14M/ポンプ機能内蔵トラップ GT14M ~
■□【連 載】
もっと知りたい蒸気のお話
~ ドレン回収配管の設計 ~
★ トピックス(新発売!低コストで自動制御を行う空気式制御弁)
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★ 編集後記 (前回記事「液体配管の空気抜き」へのご質問)
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TLVでは、蒸気の省エネに関する【スチーム・アカデミー・セミナー】と
回転機の芯出しに関する【トレーニング・セミナー】を定期的に
- TLV加古川本社会場 (兵庫県加古川市)
- TLV東京CESセンター会場 (千葉県市川市)
の2会場で開催しています。
http://www.tlv.com/ja/seminar/seminar.html
この2014年度下半期スケジュールが決まりましたのでご案内致します。
■各コースの内容と2014年度下半期スケジュール
◇ スチーム・アカデミー・セミナー【アカデミー・コース】~入門編
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
:蒸気の基礎から蒸気の有効利用による省エネ、生産性向上のポイントまで
改善事例をベースに実演を交えながら学べます。
これから蒸気を学びたい方、設備の改善・企画をされている工務・設備・
設計・製造部門のスタッフ・管理者の方など、幅広い方々にお勧めです。
http://www.tlv.com/ja/seminar/s-a1-r.html
▽ スケジュール ※加古川・東京両会場で同日開催です。
2014年 10月14日(火)~15日(水)※東京会場は満席です
11月10日(月)~11日(火)※東京会場は満席です
12月 8日(月)~ 9日(火)
2月16日(月)~17日(火)
3月16日(月)~17日(火)
◇ スチーム・アカデミー・セミナー【エンジニアリング・コース】~設計編
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
:最適な蒸気システムや、高効率で安全な蒸気システム構築のための設計
のポイント等が学べます。蒸気配管・ドレン回収配管設計、排熱回収
メリット等、すぐに実務に使える計算手法の実習・演習も行います。
蒸気プラントの基本設計や配管設計、制御システムの構築等を担当される
設計・工務・エンジニアリング部門の方にお勧めです。
(アカデミー・コースに続いての受講がより効果的です)
http://www.tlv.com/ja/seminar/s-a3-r.html
▽ スケジュール ※加古川・東京両会場で同日開催です。
2014年 10月16日(木)
12月10日(水)
2月18日(水)
◇ トレーニング・セミナー【レーザー式軸芯出し】
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
:芯出しの基礎知識からレーザー式軸芯出し器を用いた診断・修正方法に
ついて、実習を中心に学べます。
これから芯出しについて学びたい方、レーザー式軸芯出し器の導入検討中
または導入済みの方にお勧めします。
http://www.tlv.com/ja/seminar/s-b2-r.html
▽ スケジュール
2014年 12月11日(木) ※東京CESセンター会場
3月18日(水) ※加古川本社会場
※各コースとも、お申込み期限は開催日の1週間前です。期限前であっても
定員となり次第申込みを締め切らせていただきますので、お早めにお申込み
ください。
------>>【Web割引もあります!】セミナーへのお申込みはこちら↓
http://www.tlv.com/ja/seminar/seminar.html#schedule
------>>セミナー参加者の声も掲載しています↓
http://www.tlv.com/ja/seminar/s-comment.html
☆セミナーの予習・復習にどうぞ☆
『蒸気検定』はこちら↓ 初級・中級・上級 あなたはどのレベル?
http://www.tlv.com/ja/kentei/index.html
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■【新製品】段ボール・製紙工場等のドレン回収に!新・高圧パワートラップ
┃ ~電気不要ドレン回収ポンプ GP14M/ポンプ機能内蔵トラップ GT14M~
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
電気不要で工事がカンタンなのに、ドレンをしっかり回収する
ドレン回収ポンプ GPシリーズ。
ヒーターの破損、熱交換器の温度ムラをドレン滞留の解消によって防ぐ
ポンプ機能内蔵スチームトラップ GTシリーズ。
大好評のこれら『パワートラップ』に、高圧対応の新機種 GP14M、GT14Mが
加わりました。
▼ 最高使用圧力1.4MPaGの高圧対応
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
これまで、パワートラップの最高使用圧力は1.05MPaGが上限でしたが、
GP14M/GT14Mはパワートラップの中でも最も高圧で使用でき、
最高使用圧力は1.4MPaGです。
ボディの耐圧強度を高めただけではなく、スナップアクションユニットなど
内部機構の見直しによって高圧でもスムーズに作動できるよう工夫しました。
▼ 高圧対応のポンプで熱回収率アップ!白煙解消!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
1.4MPaGまで対応する高圧仕様は、以下のような圧力が高い回収系統への
圧送用途に最適です。
- 段ボール製造工場(コルゲートマシン)のドレン回収
- 製紙工場(抄紙機)のドレン回収
通常、これらの工場ではドレン回収システムとして、高圧系統はボイラー
へ直接回収する「クローズド回収」が採用されています。
しかし、低圧の系統はクローズド回収系統とは別に、給水タンクへオープン
回収されているケースが多く、放熱ロスによる熱回収率の低減や、フラッシュ
蒸気による白煙等の問題に悩まされているところが少なくありません。
このようなケースでも、高圧対応のパワートラップGP14M/GT14Mを使えば、
低圧系統のドレンを高圧系統のクローズド回収ラインに押し込むことができ、
熱ロス低減と白煙解消が果たせます。
▼ コンパクトなのに大容量・低流入水頭で多くの設備に対応
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
GP14M/GT14Mは、大容量モデルGP10/GT10よりも高さと前後長さが150mm小さく
小型のGP10M/GT10Mと比べても高さと前後長さが50mm大きいだけです。
このコンパクト・ボディでありながら、GP10M/GT10Mの最大1.6倍の圧送能力
を持ち、GP14Mは最大4t/h、GT14Mは最大3.4t/hまで圧送することができます。
更に、球形フォルムと専用逆止弁の採用により、流入水頭を350mmまで下げる
ことにも成功。ドレン出口が低い設備にもそのまま設置することが可能です。
※注:流入水頭を下げると最大圧送能力は減少します。流入水頭350mmの
場合、圧送能力は標準流入水頭630mm時に比べて約60%に減少します。
---->>高圧対応!電気不要のドレン回収ポンプ GP14Mの詳細はこちら
http://www.tlv.com/ja/catalog/news93j.html
---->>高圧対応!ポンプ機能内蔵スチームトラップ GT14Mの詳細はこちら
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┃(彡(彡)彡)【連載】もっと知りたい蒸気のお話
┃ (彡(彡) ~ ドレン回収配管の設計 ~
┗━(彡)━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━第116話━━
▼ 蒸気ドレンを流す配管
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ドレンを流すための配管は、ドレン回収配管や還水配管と呼ばれます。
ドレンは“凝縮水”なので、水配管の設計基準で設計すれば良いと誤解される
ことがありますが、単なる水配管とみなして設計すると失敗します。
ドレン回収配管には、少々特殊な「二相流」の設計が必要です。
ここで言う二相流とは気相である蒸気と液相であるドレンが混ざっている流れ
です。液相と気相が層状に分離している流れという意味ではありませんので
ご注意ください。
▼ 蒸気の存在
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
では、なぜドレン回収配管では蒸気の存在を考慮しなければならないので
しょうか?これには再蒸発現象が関係しています。
再蒸発現象はフラッシュ現象とも呼ばれ、高圧ドレンが低圧にさらされたとき
ドレン自体の一部が蒸気に変化する現象です。
※再蒸発蒸気については「フラッシュ蒸気」をご参照ください。
http://www.tlv.com/ja/steam_story/0708flash_steam2.html
飽和蒸気と飽和水の比体積比は1000倍以上あります。
ということは、同じドレン量であったとしても、フラッシュ率によって
蒸気とドレンの比率が変わり、設計も大きく変わることになります。
フラッシュ蒸気の発生が無ければ水配管とみなした設計ができ、フラッシュ
蒸気量が多ければほとんど蒸気配管に近い設計になります。
▼ 二相流配管と水配管
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
トラップからドレンヘッダーや大気開放のタンクまでの間は、フラッシュ蒸気
とドレンが混走する二相流配管として、フラッシュ蒸気の体積を見込んで設計
する必要があります。
ポンプ手前のドレンヘッダーで気液分離した場合、フラッシュ蒸気はドレン
回収配管外へ排出されます。これ以降の配管(ポンプ二次側の配管も含む)は
水配管の設計になります。
▼ 等価比容積に基づく配管設計
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二相流配管は、配管としても「水配管と蒸気配管の中間」と言えます。
これではあいまいなので、TLVでは再蒸発の量、つまりフラッシュ率に応じて
水に近いのか蒸気に近いのか判断することにしています。
この判断を行う際に用いるのが、等価比容積という概念です。
平均体積のようなものと考えれば良いでしょう。実際の還水配管設計では、
この等価比容積によって許容上限流速が定まり、それに基づいて配管径を
決めていきます。
実際の手順は少々複雑なのでここでは割愛します。ご興味のある方は
テクニカルハンドブック「ドレンの排出と回収」をご参照ください。
http://www.tlv.com/ja/handbook/hb_condensate.html
------>>ドレン回収配管の設計について以下で図解しています↓
http://www.tlv.com/ja/steam_story/1212condensate_recovery_4.html
☆今月の蒸気のお話はいかがでしたか?
参考になった/ならなかった、今後こんな内容を取り上げて欲しいなど、
皆様のご感想をお待ちしております!
https://www.tlv.com/ja/enquete/enquete_form.php?id=S001&ss_topic=93
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★ 編集後記
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最後までお読みいただきありがとうございます。
前回のメールマガジン記事「液体配管の空気抜き」に対して、
http://www.tlv.com/ja/steam_story/1003air_vent.html
以下内容のご質問をいただきましたので、回答も含めて
この場でご紹介させていただきます。
【ご質問】(抜粋)
:弊社のポンプも吸入ラインに気泡が発生することで、ポンプが
キャビテーションを起こすことがあります。
渦巻きポンプですので十分なNPSHを与えておけば問題ないのですが、
吸入ライン内の圧力低下により気泡が発生した場合に空気抜きがあれば
余分なNPSHを与える必要はないかと思うのですが。
【ご回答】
:ポンプの吸込み側などで圧力低下によって発生する気泡の正体は、混入した
空気ではありません。これは、圧力低下により飽和温度が下がることで
液自体が蒸発して気体が発生している「キャビテーション」の状態です。
液自体が発生源なので、空気抜き弁で気体を抜いてもきりがなく、解決策
にはなりません。そのため、やはり対策としては、気体を発生させないこと
=気体が発生しないだけのNPSHを満たす必要があります。
紛らわしいので誤解をされる方も多いのですが、同じ「気体を排除する」
対策でも、この場合は空気抜き弁で排気するのではなく、
気体の発生自体を防ぐキャビテーション対策が有効です。
これはどのような用途の場合も共通です。
ポンプのキャビテーションに関しては、以下の蒸気のお話を↓
http://www.tlv.com/ja/steam_story/1406cavitation.html
高所からの落とし込みに関しては、以下の蒸気のお話をご参照ください↓
http://www.tlv.com/ja/steam_story/1212condensate_recovery_3.html
ご質問いただいたお蔭で、記事を補足する良い機会となりました。
ご質問をお寄せくださった大阪府の男性の方、ありがとうございました。
他にもご質問やご意見等ございましたら、いつでもお気軽にお寄せください。
https://www.tlv.com/ja/contactform/contactj_form.php?id=H081&em=&rus=1
来月のメールマガジンは10月28日頃配信予定です。
どうぞお楽しみに。
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