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蒸気のトラブル

キャビテーション

ポンプのキャビテーション

液体圧送用ポンプは、当然のことながら液体圧送に特化して設計されています。そのため、液体圧送用ポンプで気体を送ろうとすると「空回り」状態となり、気体を圧送することはできません。

ポンプ内に気泡が発生することは、キャビテーションと呼ばれています。このキャビテーションが発生すると、液体圧送用ポンプ内部に気体が存在することになるため、想定外の空回りが発生し、液体も圧送できなくなるだけでなく、様々な問題を引き起こします。蒸気系統では、ドレン回収ポンプに関わる課題として、キャビテーションが登場します。

キャビテーションの原因

キャビテーションは、輸送対象の液体(揚液)自体が気化し気体が「発生」することが原因で起こり、エアやガスが外部から混入することによって生じる空回りとは区別されています。揚液から気体が発生するメカニズムは、次の通りです。

液体にはその温度に応じた飽和圧力があり、飽和状態(飽和圧力下)では、液相と気相が同時に存在することが可能です。このため、飽和状態にある液体では、液相内部からも気相部分が発生します。これが沸騰です。

ポンプ内部で揚液が飽和状態になると、内部から気相(気泡)が発生し、ポンプが空回りします。同時に、気泡が急激に凝縮して消滅する際に、激しい振動や音が発生します。この激しい振動や音として、キャビテーションを認識されている方も多いのではないでしょうか。

キャビテーションの原因-グラフ1

キャビテーションによる被害

外部からもよくわかる被害として、振動や騒音の問題があります。キャビテーションによるポンプの空回りは不規則で大きな振動になりやすいため、ポンプや電動機、その他周辺機器を傷める原因となります。

外部からは見えないポンプ内部で発生する被害としては、エロージョン(壊食)・コロージョン(腐食)があります。キャビテーションではごく短時間に気泡が発生し、この気泡が凝縮して潰れることで、ポンプや配管の材料表面を傷つけます。これにより、ポンプのインペラ(羽根車)やケーシングなどが浸食され、著しく減肉してしまうこともあります。

キャビテーションによる被害

キャビテーションの発生メカニズムと対策

揚液が飽和状態でない場合でも、油断はできません。揚液の温度上昇や、圧力低下で飽和状態になるからです。特に、渦巻きポンプやタービンポンプは、遠心力で揚液を押し出して圧送する原理上、キャビテーションが発生しやすいと言えます。

ポンプ内部では、揚液圧送のために回転するインペラ(羽根車)の動きによって、圧力の高い領域と低い領域ができます。飽和液に近い状態の揚液は、わずかな圧力低下ですぐに沸点を超えてしまうため、揚液の圧力が部分的に飽和圧力以下に低下すると、その部分で沸騰が起こり、気泡が発生してキャビテーションを起こします。

キャビテーションの発生メカニズムと対策

これらの発生メカニズムからも分かるように、キャビテーション対策としてエアベントなどで気体を排気しても、根本的な対策にはなりません。気体自体を発生させない対策を行う必要があります。

ドレン回収ポンプのキャビテーション対策は「自圧回収とポンプによる圧送」の中のメカニカルポンプによる圧送ドレン回収専用ポンプによる圧送で説明しています。