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蒸気のトラブル

蒸気設備のトラブル1(病院の騒音)

身近で見られる蒸気設備によるトラブル

身近で見られる蒸気設備によるトラブル。具体的な現象として、多くは湯気や騒音、結露などといった形で表れます。長い間悩まされたり、仕方ないと諦めてきた現象にも、簡単な対策を取ることで解決できるものがあります。 以下では、病院の騒音トラブルとその解決例をご紹介します。

病院で夜、患者さんが眠れない

ある高層建物の病院で、多くの入院患者から夜になるとベッドの接している壁から金属音がして、気になって眠れないとのクレームが寄せられていました。

原因はウォーターハンマー

調べていくと、貯湯槽の温度が上がらないのでバイパスバルブを常時微開にしているためドレン回収配管でウォーターハンマーを起こし、それが配管を伝わって病室の壁内の配管で金属音がしていました。昼間も同じ現象が起こっていましたが気付かれず、深夜に音に敏感な入院患者が気になって眠れなくなっていました。

前兆の例-2:装置内から「ミシミシ」「カチカチ」「ペキペキ」と音がする

問題のポイント

病院などに多い建物の構造上の特長に起因

  • 病棟と同じ建物内にボイラー室や機械室があるので、騒音に対して厳しい(敏感)
  • ボイラー室が上層階にあることが多く、ドレン回収配管(還水配管)が必ず立ち上がり配管になる
  • 機械室が狭く、配管の設置スペースに余裕がないため、ドレン回収配管の立ち上がり箇所が多い

病院などに多い蒸気を低圧で使用する設備に起因

  • 供給蒸気圧が低くストール現象が発生しやすい
  • 制御温度が低くストール現象が発生しやすい
  • ストール解消のためにスチームトラップのバイパス操作を行い、ブローする必要がある

一般的な工場の手法が通用しないことに起因

  • 自圧によるドレン回収は工場では一般的でそれ自体は優良な方法
  • しかし、他の騒音がある工場では多少の音には気付かないが、静かな建物では問題となる

解決策

貯湯槽の温度が上がらない原因を調べたところ、貯湯槽でドレンが溜まってストール現象を起こしていました。そこで、ストール現象解消のための対策として、貯湯槽個別にパワートラップ(ポンプ機能付きスチームトラップ)を設置したところ貯湯槽の温度が上がるようになりました。
対策後は、バイパスバルブを開けずに済むためウォーターハンマーは発生せず、金属音も聞こえなくなりました。

前兆の例-3:加熱時間が長くなったり、製品が焦げ付くようになった

改善のポイント

建物の構造上の特長は変えられないため

  • 立ち上がり配管によるドレン溜まりに蒸気が混入しないように対策
  • フラッシュ蒸気を分離した後でドレンを合流させる
  • ドレンを垂直配管部で合流させる

装置の特性や運転条件も変えられないため

  • ストール現象対策として、ポンプ機能付きスチームトラップまたは真空ポンプを設置

他設備への展開

今回の例のような病院以外でも、次のような高層建物でエネルギーセンターが別建屋ではない場合は、同様の問題が起こる可能性があり注意が必要です。

前兆の例-4:蒸気を通すと「キーン」と甲高い音が継続して聞こえる