睡眠を妨げる金属音をなくしたい…
入院患者さんから寄せられていた、夜になると壁際から金属音が聞こえるので気になって 眠れないというクレームを解決しました。
ある病院では貯湯槽の温度が上がらないため、対策としてスチームトラップのバイパスバルブを常時微開にして運転していました。その結果、蒸気がドレン回収配管に流入してウォーターハンマーが発生、その音が配管を伝って建屋内の広範囲に伝播していました。病室の近くを通っている配管もあるため、病室まで音が聞こえる状況でした。
音は昼夜を問わず発生していましたが、昼間は周囲の騒音に紛れて気にならないのに対して、夜間は他の音がしなくなることでよく聞こえるため、気になって眠れないと訴える患者様がありました。
ポンプ機能内蔵 スチームトラップ(PowerTrap) GT10を導入し、ウォーターハンマーを解消することで金属音の発生を防止し、入院患者さんに安眠をお届けした事例をご紹介します。
病院様
使用装置名 | 貯湯槽 |
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採用いただいた製品
お悩み
壁際から金属音が聞こえるので気になって眠れないとのクレームが寄せられた
夜間は他の音がしなくなることでよく聞こえるのに対して、昼間は周囲の騒音に紛れて気にならないレベルであることや、また人によって聞こえ方や感じ方が異なること、そして、そもそも原因が蒸気系統なのかどうかもわからない中で調査がはかどらず、原因の特定が難航しました。
問い合わせのきっかけ
省エネの情報収集を目的に参加したセミナーにヒントがあった
当時、省エネの情報収集のため参加したTLVのスチーム・アカデミー・セミナーでウォーターハンマーやストール現象の説明を聞き、悩まされていた異音とそれらの関連があるかもしれないと思い至り、講師に相談した。
解決策
貯湯槽のスチームトラップをポンプ機能内蔵スチームトラップ(パワートラップ)に交換
現場調査の結果、貯湯槽の熱交換器内にドレンが滞留するストール現象が発生し、貯湯槽の温度が上がりにくくなっていることがわかりました。スチームトラップのバイパスを微開にしていたのはドレン排出を促し、貯湯槽の温度を上昇させるためでしたが、バルブの開度は一定だったため蒸気が吹き抜けることもあり、その蒸気が原因となりドレン回収配管でウォーターハンマーが発生していました。病室で聞こえる金属音はこのウォーターハンマーが原因と推測されました。
バイパスバルブを開弁せずに貯湯槽の温度が適正になるようにするため、既設のスチームトラップに替えて、ポンプ機能内蔵スチームトラップを設置しました。
改善結果
金属音は発生しなくなり、入院患者様からのクレームもなくなった
スチームトラップのバイパスバルブ操作をすることなく貯湯槽の温度は適正な値まで上昇するようになり、ドレン回収配管に蒸気が吹き抜けることがなくなったため、ウォーターハンマーも発生しなくなりました。
お客様の声
深夜に限って音がすることや、いろいろ調べても原因がわからないので、気味が悪いという冗談も聞こえてきましたが、TLVのセミナーがあって本当に助かりました。まさか自分達の対応が原因になっていたとは思いもしませんでした。」