Entry

Project Story 02

定期メンテナンスを
ゼロから事業化せよ

キャリアを活かした新規事業開発

Project Outline

蒸気のスペシャリストとして多彩な事業を展開するTLV。さまざまな角度から顧客満足を追求する中、納入製品のメンテナンスについては長年の課題でもあった。その解決に向け、2021年7月にメンテナンスグループが発足。同グループの責任者にCE歴10年、過去にメンテナンスに関する全社プロジェクトを率いた実績のある津田が選ばれた。グループのミッションはメンテナンスの事業化。顧客プラントの更なる「安全・安定操業」「高品質・高生産運転」を目指して、従来の不具合が発生してから修理対応を行うメンテナンスの在り方を刷新。津田の指揮の下で定期メンテナンスのビジネス化に向け、一大プロジェクトが動き始める。

Project Manager

津田憲一
CES本部 技術サービス部 メンテナンスG チーフ
2011年入社

Scene 01 / Order

新設グループを率いて
事業を創出する

TLVではプラントにおける蒸気設備の課題解決をはじめ、蒸気機器の開発・製造など、お客様の幅広いニーズにお応えしています。製品を導入した後の保守・メンテナンスもそのひとつです。これまではメンテナンスチームが現場での修理対応などを行ってきましたが、チームの規模も小さく、顧客満足の観点で言えばまだまだ発展の余地がありました。

そういった背景の中で、2021年7月に発足したのがメンテナンスグループです。ミッションは、これまで小規模なチームとして動いていたメンテナンスの工程を事業化すること。私はそのスターティングメンバーとしてグループのマネージャーを担うこととなりました。当時、コンサルティングエンジニアを務めていた私が、本プロジェクトに参加することになったのは上司から相談を持ちかけられたのがきっかけです。それは、2021年3月頃のこと。上司と二人で現場診断の報告会に向かう道中で打診を受けました。私は以前、製品納入後のアフターフォローに関する全社プロジェクトを担当していたことがあります。その際にメンテナンスの重要性を感じていたこともあり、上司からの打診に二つ返事で快諾しました。

Scene 02 / Action

定期メンテナンスにより、
更なる安全安心を実現する

メンテナンスグループでは、定期メンテナンスの事業化を目指して動き出しました。これまでは不具合が発生してからメンテナンス対応を行っていましたが、全国のお客様に定期的なメンテナンスを実施することができれば不具合を未然に防ぐことが可能。それは、プラントの「安全・安定操業」「高品質・高生産運転」にも繋がります。顧客満足の更なる向上に向け、定期メンテナンスの事業化はTLVにとって重要なミッションでもありました。

事業化に向けて最初に取り組んだのが課題の洗い出しとジョブフローの明確化です。入社以来、CEとして現場の最前線で業務を担ってきた私には、メンテナンスの知見がほとんどありません。メンテナンスを定期化するにあたってどんな課題があるのか、また起こりえるのか。どの部署が関わり、どういった業務が発生するのか。関連するさまざまな部署のメンバーに相談を持ちかけながら進めていきました。また、月1回のマネジメント会議でも進捗を報告。その都度、会長や社長からも意見やアドバイスをいただきながら検討を重ねました。

Scene 03 / Solution

課題ごとに
8つの施策を設定

課題を整理し、ジョブフローを書出し、実行施策を分割し、方針や詳細タスクに落とし込むのにかかった期間はおよそ4カ月。2021年の年末から事業化に向けて本格的に動き出すことになります。実行施策の分割では、課題ごとに関係する部署等が異なるため、テーマを8つに分類し、グループのメンバー5名に担当を振り分けて取り組んでいくことにしました。

例えば、メンテナンスの現場における課題の解決もそのひとつです。これまではお客様からの引き合いを待つ形でしたが、これからは定期メンテナンスを通じて引き合いをつくることが重要になってきます。この新たに発生する業務のフローや現場でミスなく効率的に業務を行うためのマニュアルの作成等を、このテーマでは担います。

また、メンテナンスのキットの開発も重要なテーマのひとつです。TLVでは数え切れないほどの製品を抱えています。そのためメンテナンスの内容に応じて必要な部品をその都度チョイスするのは非効率です。そこで本テーマでは、メンテナンスプランごとに必要となる部品をセットにしたメンテナンスキットの開発を目指しています。

他にも、顧客プラントにおける納入製品やシステムのモニタリングにも取り組んでいます。これまでは故障してから対応するブレイクダウンメンテナンスでしたが、定期的なタイムベースメンテナンスや設備の調子に応じたコンディションベースメンテナンスを実現していく上ではモニタリングが不可欠。設備にセンサーを取り付け、状態を監視することで適切なメンテナンスに繋げていけるよう、お客様にご協力いただきながら検証を重ねているところです。

Scene 04 / Result

メンテナンスを起点に
お客様とより良い関係を

定期メンテナンスの事業化を目指すにあたり、やりがいを感じるのは自分が考えたものが形になったときです。CE時代は既にある製品やサービスをベースに業務を行っていました。当時は1を10にすることにやりがいや面白みを感じていましたが、初めて経験する0から1を生み出す仕事にもまた違った味わいがあります。

0から1を生み出す挑戦の中で特にうれしかったのは、真空ドレン回収ポンプのメンテナンスプラン及びメンテナンスキットを開発し、実際に市場で採用され始めたことです。同ポンプは部品構成が複雑で、一つひとつの品番を整理してメンテナンスプランごとにキットをつくりあげていくのは至難の業でした。その過程においては設計部やマーケティング部とも連携。さまざまな部署や人の協力を経て、形にすることができました。

グループが発足して数年が経過。まだまだできていないことや、やりたいことも数多くあります。志半ばではありますが、前述のように取り組んでいる施策が少しずつ形になってきており、お客様にも活動を評価していただけるようになってきました。これからも定期メンテナンスの実現に向けて取り組み、TLVの製品をいつまでも長く満足してご利用いただくことでお客様との関係性を深めていくことが私たちの使命です。

プロジェクト
ストーリー