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Project Story 03

プラント全体の
最適化構想を実現せよ

若手による新規事業開発

Project Outline

蒸気のスペシャリストであるTLVと、プラント全体の点検・診断作業のスペシャリストであるTTS。元々は同じ会社だった両社が独自に培ってきた技術やノウハウを融合することで、プラント全体の最適化や安心安全な稼働を実現する。TLVの現会長(当時社長)がかねてきたから温めてきたこの構想「PMOP」を実現するべく、白羽の矢が立ったのは若干入社5年目の川井。コンサルティングエンジニア(CE)としての知見と顧客本位のスタンスで柔軟なソリューションを実現し絶大な信頼を獲得していることなどが評価され、ビッグプロジェクトに大抜擢される。

Project Manager

川井 優宏
TTSジェネラルマネージャー付
PMOPビジネスモデル開発
統括プロジェクトマネージャー
2018年入社

Scene 01 / Order

それは
一本の電話から始まった

入社5年目の7月のことです。当時、コンサルティングエンジニア(CE)として東京営業所に勤務していた私のもとに、知らない番号から電話がかかってきました。「今から会えませんか?」。電話の主はグループ会社であるTTSの社長(現TLV会長)。過去、直々にお電話をいただいたことは一度もありません。突然のお誘いに戸惑いながら待ち合わせ場所に向かいました。

食事をとりながら、社長はTLVとTTSの未来について話をされました。そして、TLVが目指すプラント全体の最適化構想「PMOP(Plant Monitaring & Optimization Program)」を牽引する役割に、私が適任であるとおっしゃってくださいました。

TLVとTTSは2001年の分社化以降、前者は蒸気分野、後者はメンテナンス分野で発展を続けてきました。一方、ユーザー観点でプラントの課題を分類すると蒸気分野やメンテナンス分野という括りにはなりません。静機器・動機器となるはずであり、それはTTSのプラントに対する捉え方と同じです。TLVとTTSが力を合わせてプラント全体の最適化を実現するには、この視点が不可欠。つまり、PMOPを牽引するには、TTSに所属し、新たな視点や知見を学ぶことから始める必要がありました。PMOPを牽引することで、TLVとTTSの未来を切り拓く。TLVの社長からも後日、面談で同様のオファーをいただき、熟考の末に挑む覚悟を決めたのでした。

Scene 02 / Action

両社の知見を融合し、
プラントの最適化を実現せよ

出向してミッションに挑むにあたり、TTSの知見を3ヶ月でマスターするよう命じられていました。そこで出向後、先輩の現場に同行するなどしてTTSの技術やサービスについて徹底的に学習。同時に現場での診断業務に必要となる振動診断技術者の取得に向けた資格勉強も行いました。さらに、学ぶだけではなく、知見の融合に向けても行動。日々、現場で活動する中でTLVの技術やノウハウを活かせるところがあればTTSのメンバーへフィードバックするなどして、TLVに対する理解促進に努めました。知見の融合を実現するには、両社間の親密なコミュニケーションも不可欠です。出向時点ではお互いのあいだに隔たりがあり、それを壊すことも自分の役割であると感じました。

Scene 03 / Solution

真っ暗な道を手探りで進む
難しさと面白さ

壮大なミッションへの挑戦はまだ始まったばかり。その中で難しさを感じるのは、社長(現会長)の構想をゼロから自分ひとりで具現化してかなければならないところです。先の見えない真っ暗な道を手探りで進むしかない状態で、ヒントを見つけるために取り組んでいるのが現場へ足を運ぶこと。TLVの診断(工場全域の現場調査)に同行し、両社の観点からさまざまな仮説検証を行うことで私たちにできることを探っています。

現場調査を続ける中で明るい兆しがあるとすれば、長年のメンテナンス課題の一つであった配管の腐食に対するソリューションが見え始めたことです。TLVとTTSの知見を組み合わせることで、早期に腐食を発見し、プラントの省エネを実現できる可能性があるという仮説立てができました。現在はその実証に向けて現場での検証を開始しています。

Scene 04 / Result

TLVとTTSと世界
広い視点で革新を目指す

このオファーを受けたときは、これまで培ってきたものをリセットすることにためらいがありました。しかし、チャレンジして感じるのは、これまでの経験がちゃんとプラスになっているということです。TLVで培った蒸気の視点に、TTSのプラント全体を診る視点が加わったことで、さまざまな角度からプラントを見られるようになりました。

特に学びが大きかったのは、目の前のお客様のことだけではなく、広く世界にまで目を向けられるようになったことです。TTSのコンセプトの一つに、「世界中の先進的で効果的な技術を発見し、トレーニングし、使いこなし提供すること」というものがあります。今の自分たちの実力では無理でも、世界中の先端技術を組み合わせることで解決できることがある。TLVにいたときは蒸気のスペシャリストであるという自覚が強すぎ、自分たちでできることにこだわってしまっていた気がします。広く世界の技術を取り入れ、新しいソリューションを実現できれば、会社の成長にも繋がり、お客様にもさらに喜んでいただけます。実際、既に取り組んでいる腐食のテーマについても、海外の技術の導入を検討中です。視点は広がっても、お客様へのスタンスは同じ。TLVとTTS、そして世界。さまざまな視点からPMOPを実現し、プラントの最適化と安心安全な稼働に貢献していきたいと考えています。

プロジェクト
ストーリー