流体制御機器
ディスク・スチームトラップ(PowerDyne)
Pシリーズ/HRシリーズ
空気保温式の二重蓋構造
一重蓋で外気の影響を受ける外気冷却式ではドレンがなくても作動し、空打ち・吹放しといった蒸気ロスが発生しました。TLVのPowerDyneは、空気保温式の二重蓋構造の採用で、外気の影響を受けにくく、ドレン滞留時のみ確実な間欠作動をおこないます
保温構造による外乱の影響の違い
空気保温式(P46SRN)
空気保温式は二重の蓋で形成される空間を空気層として使い、変圧室が直接風雨にさらされるのを防ぎます。
これにより風雨等の外的要因による不必要な開弁を防止します。
保温なし(一般のディスクトラップ)
風雨等によって変圧室が冷却されると、閉弁力が維持できないため、 本来開弁すべきではないタイミングでも開弁してしまいます。
ドレンがない状態での開弁は大きな蒸気ロスです。
天候による蒸気ロス比較
高精度に研磨されたディスク弁・弁座
一般のディスク弁は空気障害防止のため、粗研磨仕上げか、スリットを入れています。そのため、シール性の低下を招き、蒸気ロスが大きくなっていました。TLVのPowerDyneは、自動ブローオフ機構内蔵でエアバインディングの心配がないため、ディスク弁・弁座に高精度のポリッシング特殊仕上げと特殊熱処理を施し、高いシール性と長寿命を実現しています。
バイメタル内蔵自動ブローオフ装置で初期空気を自動排除
バイメタルによる自動ブローによる立ち上がり時間の短縮
バイメタルによる自動ブローオフ機構を内蔵 。初期立上り時にはバイメタルが強制開弁、初期空気と低温ドレンを速やかに自動排除し、立上り時間を大幅に短縮します。また、空気障害が解消され、バッチごとのバイパス弁の手動操作を不要にしました。
※HR150A、HR260Aを除く
バイメタルによる自動ブローの原理
常温時、C字環状に加工されたバイメタルリングは径が小さくなり、テーパー状の斜面をせり上がります。バイメタルリングによりディスク弁は持ち上げられ、トラップは強制的に開弁された状態になります。トラップ内に大量に流入してくる低温エアは低温ドレンと共に、この間に排出されます。
流入してくるドレンの温度が上がってくると、C字環状に加工されたバイメタルリングは径が拡がり、テーパー状の斜面を滑り下りて強制開弁状態を解くと共に、トラップの作動とは無関係になります。
バイメタルによる空気障害(エアバインディング)の防止
自動ブローオフ装置による空気排除は立ち上がり時間だけでなく、空気障害の防止に有効です。
バイメタルあり
バイメタルが無いために空気障害(エアバインディング)が発生
ソケット溶接(SW)接続でも、部品交換のみでメンテナンス
摩耗部品はユニットで交換
ディスクトラップの劣化は主に弁体と弁座に集中し、それ以外の多くの部分はあまり傷みません。TLVでは必要な部分だけを交換することにより低コストで素速く復旧ができる構造としています。
外蓋を取り内蓋を取り外すだけで、弁座ごと容易に内部部品の取り外しができます。特殊工具も不要で、配管したままスピーディーに補修作業が行えます。
ソケット溶接(SW)接続のメリット(フランジ接続との比較)
部材・作業コストを削減
割高なフランジ製品に加え、1台につきフランジ2枚、ガスケット2枚、ボルトナット最低8セットが不要になります。
漏れ箇所を最少に
配管を溶接するため、蒸気漏れを確実に防ぐことが出来ます。
縦配管でも横配管でも設置可能
ディスクトラップは、開弁力と閉弁力のいずれにも重力が影響を及ぼしていませんので、縦配管・水平配管どちらでも問題無く使用できます