流体制御機器
初期急速排気弁
VAシリーズ/VS1A
エアベントの種類
液体用エアベント
各種液体配管中に溜まる空気・ガスをフリーフロートが自動排除します。
- 故障の原因となる「レバー」や「ヒンジ」がなく、動く部品はフロートのみで故障が少ない。
- 運転停止時に液体がなくなると空気を吸入して真空破壊弁として機能します。
初期急速排気弁 | 自動排気弁 |
---|---|
送水始めの初期エアを |
初期ならびに運転中に本体内にエアが流入すると、 |
※本体内の水位が上がり、いったん閉弁するとその後エアが流入してきても開弁せず、排気しません。 ※運転中にもエアが流入する場合は、自動排気弁と併用してください。 |
※初期のエアを多量に排気する必要がある場合は初期急速排気弁と併用してください。 |
液体用エアベントの用途 | 排気の必要性 | |
---|---|---|
初期エアの排除 (初期急速排気弁) |
常時エアの排除 (自動排気弁) |
|
揚水ポンプ | ○ | |
空調設備・ソーラーシステム | ○ | |
送水配管・貯水タンク | ○ | ○ |
蒸気用エアベント
蒸気用エアベントは、蒸気使用装置中のエア等を排除し、スタートアップ時間の短縮を図ります。
TLVの蒸気用エアベントにはX-エレメントが採用されています。X-エレメントはサーモリキッド(感温液)が封入されており、サーモリキッドと水との飽和温度差によって開閉弁する新しい弁機構で、運転中の高温エアも排除できます。
X-エレメント内蔵エアベント
- 低温初期エアの自動急速排出/立ち上り時間を短縮
X-エレメントは低温時、弁口をフルに開弁しているため立ち上り時の初期エアを速やかに排除することができ、立ち上り時間を短縮します。 - 高温エアも確実に排除/加熱効率・生産性向上
飽和温度近くでX-エレメントは開弁するので、装置運転中に入ってくる高温エアも難なく排気でき、バッチ運転のプロセスにも最適です。
エアベントの選定に必要な項目
選定にあたっては、下記の項目の確認が必要です
-
1) 設置目的の確認
初期排気のみか、運転中の排気(自動排気)か。
-
2) 使用条件の確認
使用流体と流体の比重およびその圧力関係、温度、必要排気量等
-
3) エアベントの呼径、接続仕様、材質等
以上の項目から各ステップにて適正型式を選定してください。
エアベントの選定ステップ
<ステップ 1> 型式の絞り込み
- 使用する目的、使用流体、使用条件等から、下記の選定表より該当する型式の製品仕様書(PDF)に進んでください。
(1) 使用可能流体 |
(2) 使用目的 |
(3) 配管方向 |
(4) 使用圧力 MPaG |
(5) 最高 使用温度 ℃ |
(6)* 最大 排気量 ℓ/min |
本体 標準材質 |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|
水・温水 | 初期のみ 急速排気 |
垂直配管 | 0.01~1.0 | 100 | 180 | VAS (呼径20) |
鋳鉄 |
500 | VAS (呼径40) |
||||||
1400 | VA1 | ||||||
3200 | VA3 | ||||||
5600 | VA4 | ||||||
11000 | VA5 | ||||||
初期排気 + 運転中の 自動排気弁 |
垂直配管 | 0.01~0.3 | 100 | 5.4 | SA3-3 | 黄銅 | |
0.1~1.0 | 9.2 | SA3-10 | |||||
0.05~0.5 | 90 | 25 | VC2 | ||||
0.1~0.6 | 90 | VC3 | 鋳鉄 | ||||
0.1~1.0 | 380 | VC4 | |||||
水・温水 その他非危険流体 (非毒性、非可燃性など) |
初期のみ 急速排気 |
0.01~2.1 | 150 | 270 | VS1A | ステンレス鋼 | |
初期排気 + 運転中の 自動排気弁 |
0.01~1.0 | 170 | VS1C-10 | ||||
0.01~2.1 | 130 | VS1C-21 | |||||
蒸気 | 初期排気 + 運転中の 自動排気弁 |
アングル | 0.01~1.3 | 200 | 1900 | LA13L | 黄銅 |
垂直配管 | 1400 | LA13 | |||||
0.01~2.1 | 235 | 2000 | LA21 | ステンレス鋼 |
* 20℃大気圧における概算値です。 初期急速排気弁は差圧0.1MPaの時、自動排気弁は最高使用圧力の時。
※以下は該当する型式の製品仕様書(PDF)で確認し、適正型式を選定してください。
<ステップ 2> 使用流体、材質の確認
- ステップ1で選択された型式の標準材質でいいか確認ください。該当しない場合はオプションを確認し、それでも該当しない場合は他の型式を確認ください(特殊な流体の場合、前後の配管部材の材質も確認してください)。
<ステップ 3> 流量、比重の確認とオリフィスNo.選定
- 初期急速排気弁の作動は立ち上げ時のみで、排気能力グラフは空気雰囲気のみでの排気量をグラフ化しています。一般的には、通常運転圧力になるまでに排気を完了して閉弁していることを考慮し、流量を確認願います。
- VS1A(初期急速排気弁)、VS1C(自動排気弁)は比重0.8まで使用可能です。用途と最高使用圧力を考慮し、型式および要求する流量を満足するオリフィスNo.を選定してください。
<ステップ 4> 呼径、接続仕様等の確認
- 選定した型式の最高使用温度や呼径、接続仕様などが希望のものかを確認してください。オプションにて高温対応の可能な型式もあります。