食品工場や給食センターなどの厨房機器は、0.2MPaG以下の比較的低い蒸気圧力で使用されるものが多く、以前はその場でドレンを放流することが多かったのですが、近年は作業環境重視のため排水溝や床下を通して1箇所に集められるケースが増えています。
パワートラップなら、蒸気圧力が低くても集めたドレンを遠方の回収タンクへ戻すことができます。

塗工機では高圧蒸気を使用する一方で、設定温度によっては熱風ヒーターへ供給される蒸気圧力がかなり低くなることがあります。高圧蒸気の条件に合わせたドレン回収系統では、低圧蒸気での運転時に背圧が高くなり、ヒーター内部のドレン抜けが著しく悪くなる恐れがあります。
その場合も、パワートラップを設置して一旦ドレンを集めてから圧送・回収すれば、各熱風ヒーターにかかる背圧を小さくすることができ、塗工機の熱風温度設定が低くても安定して運転することができます。

高温ドレンをクローズド回収しているコルゲートマシンでは、品種に合わせてダブルフェーサー熱板の温度を下げることがあります。従来は熱板へ供給する蒸気圧力がドレン回収圧力よりも下がった場合、熱板のドレンは回収できませんでした。
しかし、パワートラップを使用すれば、蒸気圧力が低くてもドレン回収ラインへ押し込むことができ、クローズド回収が可能です。