流体制御機器
装置用フリーフロート・スチームトラップ
JXシリーズ/SJ3V-X
フリーフロート・スチームトラップのよくあるお問い合わせ3選(1分03秒)
JXシリーズのよくあるお問い合わせ3選(1分03秒)
プロセス用トラップに求められる機能とは
低温・高温エアの急速排気で立ち上がり時間を短縮
X-エレメントは、立ち上げの低温時には3.5㎜の大きな弁口を開いており、初期エアを急速排気すると共に低温ドレンも排出します。さらには、今まで不可能であった飽和温度マイナス約6℃までの高温エアも急速排気できるため、装置は最短時間で立ち上がります。
立ち上げ時間比較
排気能力比較
フリーフロートとX-エレメントが加熱効率を向上
流入ドレン量に応じてフリーフロートが弁口開度を調節し、連続的に排出するため、装置内にドレンを滞留させません。また、X-エレメントは、運転中の高温エアの混入にも敏感に反応し、速やかに排出します。これらの相乗効果で装置の加熱効率を最大限に発揮させます。
加熱温度比較
コンパクトで大容量を実現
流量比較
X-エレメントとは
X-エレメントはサーモリキッド(感温液)とその力を伝えるダイヤフラム、弁で構成され、蒸気雰囲気中では閉弁し、ドレンや空気などの不凝縮気体が周囲にあれば開弁する機能をもつエレメントです。バイメタルでは排除できなかった高温の不凝縮気体も排除できます。この機能はサーモリキッドの特性によるものです。
サーモリキッドも水と同じようにある圧力下で、ある温度以下では液体であり、ある温度以上になると気体となって膨張します。気体になる温度は、水が蒸気になる温度よりも6℃(エアベント用は22℃)程低い温度であるため、周囲が蒸気雰囲気の時にはサーモリキッドは気化しており、膨張したサーモリキッドの入った部屋がダイヤフラムを押し、ダイヤフラムと一体化した弁と弁口の間にあった隙間を閉じます。
逆にX-エレメントの周囲が低温である場合(ドレンや空気のある状態)は、サーモリキッドが液状の状態であり、弁は押されず、弁と弁口の隙間からドレンや空気が排出されます。
通常の作動の場合
フェイルオープン機構(ダイヤフラムが破損した場合)
X-エレメントはダイヤフラムが破損した時、開弁状態(フェイルオープン)になるように設計されています。
スチームトラップは、故障した時、開弁状態を維持する場合(吹き放し)と閉弁状態を維持する場合(フン詰まり)があります。閉弁状態となれば、装置の運転を止めて故障トラップを交換出来ない連続プロセスにおいてはドレンが滞留し、装置に加熱不良を引き起こします。逆に開弁状態となれば蒸気が引き続き供給され、装置で生産し続けることができます。この機構はダイヤフラムが破損した時、蒸気やドレンが流入してエレメントが膨張し、弁が弁口と接触し閉弁状態になったとしても、破損時には弁中央部にある小穴を通って、弁口からドレンなどが流れるようにしたものです。
一次側圧力が維持される限り、弁は押し上げられて全開状態“フェイルオープン”をキープします。
プロセスでのあらゆる条件を満足させる、高精度なフリーフロート
ドレンの連続排出
ドレン流入量に応じてフリーフロートが上下し、弁開度を自動調節、ドレンを連続排出します。そのため、装置内にドレンを滞留させません。
蒸気ロスを低減
トラップ内の液面を一定以上に保ちながら、弁口からドレンを連続排出します。また、ドレンが流入しない場合でも、高精度フリーフロートが弁口を確実にシールします。そのため、作動時の蒸気ロスは極小です。
ドレン回収にも最適
フリーフロートタイプは入口圧と背圧が向い合う方向で作用しているため、90%の背圧がかかっても正常に作動します。そのため、クローズド回収などドレン回収用途に最適です。それに対してディスクタイプは同じ方向に作用するため、許容背圧は50%しかありません。
対エロージョン設計
レバーやヒンジがなく、動くのはフリーフロートだけのシンプル構造に加えて、ドレン排出通路の面積を拡大、通路壁の厚みを3mmから5mmへアップ(J3Xの場合)、耐久性の高い材質の選定などのエロージョン対策を施しています。