付きっ切りになるバルブ操作から作業者を開放したい…
温度制御システムの導入により、温度調整のためのバルブ操作をしなくても殺菌不良が発生しないため、掛け持ち作業の合理化が実現しました。
液体つゆの殺菌工程は非常に重要であるため、出来具合を左右する温度調整のためのバルブ操作は熟練の作業者に頼っていました。しかし手作業であるがために殺菌時間中に何回も温度調整をしなければならず掛け持ち作業に支障がでることが問題となっていました。
そこで、制御パネルmini + 温度センサー + 自動制御弁による温度制御システムを導入し、掛け持ち作業の合理化を実現された事例をご紹介します。
食品会社様
使用装置名 | ジャケット式殺菌釜 |
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生産物 | 液体つゆ |
お悩み
温度調整を自動化することで作業者を解放し、掛け持ち作業の合理化を達成したい
殺菌工程で定められた温度の範囲内で40分間加熱する必要があります。温度が低いと殺菌不良となりNG、温度が高すぎると殺菌はできますが風味が悪化するため商品としてNG。風味を落とさず殺菌不良も起こさないためには、蒸気供給バルブの微妙な操作が必要とされ、熟練の技を持つ限られた作業者だけが担当していました。それでも、付きっ切りでバルブ調整をするわけにはいかないため、ジャケットタンクから離れている間に温度が不安定になることがあります。
温度異常を知らせるアラートが発報すると、その都度駆けつけてバルブ操作をする必要があり、掛け持ち作業が計画通りに進まないことがしばしばありました。
設定範囲外に近づくと温度調整に駆けつけなければならないため、洗浄などの他の業務との掛け持ちが困難
温度計を見ながら所定の温度となるようバルブ開度を調整します。熟練作業者が一旦調整しても、室温変化などの外乱があるため温度を一定に保つことが難しく、温度不良のアラートが発生することがあります。その度に現場に駆けつけて再調整しなければなりません。そのため掛け持ちで行なって洗浄作業などに集中できず、どちらの作業も予定の時間内に完了できないことがたびたび発生していました。
問い合わせのきっかけ
蒸気のことはTLVにきこう! 省エネだけでなかった!!
自動化しようとした時に蒸気量などがわからず難しいと諦めていた が、 蒸気の省エネ提案を受けていた中で蒸気のお悩み相談があることを 知り、省エネではないが相談してみました。
解決策
温度制御システムを導入し、バルブ操作を自動化しました
すぐに設置できる壁掛け制御盤に調節計がセットされた「制御パネルmini」を採用したことで、設計から設置、試運転まで短期間で改造を実現しました。
改善結果
温度制御システムを導入し、バルブ操作を自動化しました
外乱にも自動的に追従するため殺菌不良を発生させることがなくなり、品質を安定させることができました。バルブ操作に要する工数が削減できただけでなく、温度監視体制とアラートに即応できる体制が不要となったことで、掛け持ちで行なっていた洗浄作業の生産性が向上しました。
自動化によりバルブ操作不要となり洗浄作業に専念できます
改善前
アラームが鳴るたびに手を止めて温度調整に駆けつけていました。平行して行なっている洗浄作業は予定数の半分しかこなすことができませんでした。
改善後
自動化後は殺菌工程は制御開始のスイッチをONにするだけでよくなりました。洗浄作業に専念することができるようになり、時間内に予定数を洗浄することができるようになりました。