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蒸気流量の減少で仕様範囲外となった減温器を使い続けて蒸気ロス、大量の湯気は災害の原因に・・・

減温器を対応流量範囲が広く効率の高いTLVの蒸気減圧減温システム(RGDS)に変更して、湯気の解消と蒸気ロス削減を達成

減温器近くに設置されているスチームトラップから大量のドレンが排出され、それが湯気の発生元になっていることは認識されていたものの、原因究明までされることがなく、対策もされないままでした。  
しかし、冬の寒い日に湯気による視界不良が要因となって、自転車と歩行者が接触、負傷するという災害が発生。緊急性と重要性が高い課題として取り上げられました。  
改善を実施した結果、湯気の立ち込め解消だけでなく、蒸気ロスの削減もできた事例です。

大手化学会社様

大手化学会社様

使用装置名減温器
生産物工業系化学製品

採用いただいた製品

お悩み

生産条件の変更で蒸気流量が半減したため仕様範囲外となった減温器を使用し続けていたところ、蒸気をロスしていたばかりか、発生する湯気が災害の原因になってしまった

動力として過熱蒸気を使用する設備が構内にあるため、蒸気は基本的に過熱状態で送気し、熱交換器など飽和蒸気を使用する箇所で、減温器を用いて飽和状態に戻して使用しています。  
ある蒸気ラインの減温器は、生産条件が変更になったことで、蒸気流量が半分に減少した結果、仕様範囲を外れてしまいました。  
減温器は減温水を注入する方式であったため、蒸気流量が半減した結果、相対的に注水流量が過剰になっていたのですが、減温自体はできていたため、当時はそのことを気に掛けずにそのまま運転を続けていました。

改善前の現場の様子(夏季に撮影・進入禁止のロープが見える)

問い合わせのきっかけ

対策を検討し始めた時期にTLVから無料現場診断の提案を受けた

湯気の元になる大量のドレンを排出しているスチームトラップの排出状態を確認したところ、スチームトラップの上流側に設置されている減温器が問題に関与していることがすぐ判明しました。  
原因特定と改善策の提案が可能であるため、本格的な調査を進めることになりました。

解決策

仕様範囲外で使用していた減温器を現在の運転条件に合致した減圧減温システム(RGDS)に取り替え

スチームトラップから排出されていた大量のドレンの大部分は減温器で過剰に注入されていた減温水でした。  
減温器の設計で当初想定されていた範囲を超えて蒸気流量が減少した結果、減温水は調整範囲の下限の流量になったいましたが、それでも過剰な状態でした。蒸気配管への過剰な注水は蒸気を凝縮させると同時に減温水自体の温度が上昇し、スチームトラップから排出されます。そのため、蒸気ロスと大量の湯気発生両方の原因になっていました。  
蒸気減圧減温システム(RGDS)は減温水と蒸気の混合効率が高く、必要最小限の注水が可能なため、下流側でドレンとして排出されるドレン量が少なくなることと、対応可能な蒸気流量の範囲が非常に広いことから、減温器の取り替えが課題を解決できる改善であると判断しました。

従来使用していた減温器

従来使用していた減温器

新たに採用した蒸気減温器(蒸気減圧減温システム(RGDS))

新たに採用した蒸気減温器(蒸気減圧減温システム(RGDS))

改善結果

災害の一因にもなった湯気の立ち込めがなくなり、蒸気ロス削減も実現できた

減温水と蒸気の混合効率が高く、仕様範囲(レンジアビリティ―)が広い蒸気減圧減温システム(RGDS)に取り替えた結果、注水量が最適化されたことで、下流側のスチームトラップから排出されるドレン量が激減しました。  
その結果、湯気の立ち込めは解消し、過剰に注入された水を昇温させるために蒸気が消費されることがなくなり、蒸気ロスの削減になりました。もちろん、注水流量が適正化されたことで水ロスの削減にもなりました。

改善後の様子(ドレンは排出されているが湯気はほとんど出ていない)

新旧減温器における蒸気流量と注水流量の比較
  • 削減できた減温水量 : 約155℃  約800kg/h (蒸気換算 : 110kg/h)
  • 削減できた注水流量 : 約60%

新旧減温器(減温器と蒸気式減圧減温システム(RGDS))における蒸気流量と注水流量の比較

お客様の声

お客様の声

「構内で「○○温泉」と揶揄されるほど湯気の立ち込めがひどかった現場でしたが、蒸気減圧減温システム(RGDS)へ取り替えて以降は全く湯気が気にならない状態になりました。  
ドレン量が多いことは見た目で認識していたものの、それが、大幅なロスに直結していたことまで思い至っていなかったので、省エネの観点からも重要な改善となりました。」

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