プラント内の配管のうち製品や生産に直結する内容物が流れる配管は、目視やRT(放射線検査)等の方法で検査しても、水配管は検査していないという方もおられるのではないでしょうか。しかし、排水には化学物質や汚泥等が含まれている場合もあり、万が一排水配管から漏洩して海洋流出等すると、行政指導が入って会社の信用失墜にも繋がりかねません。
ある飲料会社様では、プラント施工時から排水配管をメンテナンスしておらず、所々漏洩が発生する都度緊急補修をされていましたが、そろそろ配管の更新を考えており更新の判断をするための検査方法を検討していました。
UT(超音波肉厚計)で抜き取り検査はしていたものの、UTには次のような問題があるため配管全体を網羅できず、未検査箇所からの漏洩も発生していました。
【UTの問題点】
・検査範囲が狭い
:接触式のプローブを押し当てて測定するため、ピンポイントの測定には適しているが腐食箇所が不明な広域の配管での全体検査はできない。
・測定データにバラツキがある
:フラットなプローブを測定対象に押し当てるため、配管のように曲率がある対象の場合は押し当てる角度によって数値が変わることがある。
・測定前の事前処理で漏洩が発生する
:塗装配管の場合、事前に塗装面を剥離し金属面を露出させるケレン作業が必要だが、腐食箇所の真上でケレン作業をしてしまうと漏洩が発生することもある。
そこでUTに替わる検査方法として、以下の特長を持つPEC(パルス過流探傷)を採用。
「ケレン作業等の事前処理が不要で安全」
「面の平均板厚を評価するためUTよりも広域の検査が可能」
配管更新の要否を判断するために全長70mの配管検査を1工数で実施。600点を測定し、UTの100倍以上の網羅性で配管全域の腐食レベルと場所を評価しました。
その結果、漏洩予備軍と言える減肉が散在していることが分かり、材質対応を含めた合理的なメンテナンス計画の立案が可能となりました。
外装材の解体や塗装の剥離等の事前処理不要。安全・低コスト・短い工期で広域の腐食検査が可能なPECの詳細はこちらからお問い合わせください。
|