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ドレン回収
ドレン回収のメリット計算
ドレン回収による年間節約金額
ドレン回収のメリットは次の2項目です。
- 熱を回収するメリット
- 水を回収するメリット
熱の回収メリットは、現状の温水使用温度やボイラーへの給水温度と回収後の温度との差に運転時間を乗じたものがメリットと言えます。
水の回収メリットは、ドレンを回収利用することで減量できる水の購入コスト+その水処理に要するコストに運転時間を乗じたものがメリットと言えます。
熱と水の回収から年間節約金額を計算してみましょう。
ドレン回収における金額的メリット計算手順
ドレン回収のメリット計算は次の手順で行います。
- 熱量単価を計算する
- 1時間当たりの回収熱量を計算する
- 1時間当たりの回収熱量を金額に換算する
- 1時間当たりの水の回収金額と薬剤の節約金額を計算する
- 2.から4.までを合計して年間のドレン回収メリットを計算する
これらの計算のため用意すべき基礎情報は次の通りです。
- 燃料単価
- 燃料発熱量
- ボイラー効率
- ドレン回収量
- ドレン回収温度
- 運転時間
- 水単価
- 薬剤費用
使用する計算式
それぞれの計算式は以下の通りです。
1. 熱量単価の求め方 (A)
- 液体燃料の場合
熱量単価[円/MJ]
=燃料単価[円/L]÷(燃料発熱量[MJ/kg]×ボイラー効率×燃料比重量[kg/L])
- 気体燃料の場合
熱量単価[円/MJ]=燃料単価[円/m3N]÷(燃料発熱量[MJ/m3N]×ボイラー効率)
2. 1時間当たりの回収熱量の求め方 (B)
1時間当たりの回収熱量[MJ/h]
=ドレン量[ton/h]×水の比熱[kJ/K]×(ドレン温度[℃]-基準温度[℃])
3. 1時間当たりの熱回収金額の求め方 (C)
1時間当たりの熱回収金額[円/h]=(A)×(B)
4. 1時間当たりの水の回収金額と薬剤の節約金額の求め方 (D)
1時間当たりの水と薬剤の節約金額[円/h]
=回収ドレン量[ton/h]×(水単価[円/ton]+薬剤費用[円/水1tonあたり])
5. 年間節約金額 (E)
年間節約金額[円/年]=(C)+(D)×運転時間[h/日]×年間運転日数[日/年]
大まかにはこのようになります。2.の計算式で放散熱量による回収熱量の減少が無視できない場合は、放散熱量を引いて計算する必要があります。