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バイパスバルブ
バイパスバルブとは
今回はバイパスバルブについて考えてみます。
減圧弁や制御弁、スチームトラップなどにバイパス配管が設けられることが多く、ここに設置されているバルブをバイパスバルブと呼びます。
スチームトラップのバイパスバルブ
減圧弁のバイパスバルブ
バイパス回路に設置されているバルブのことを指していますので、特定の形状や構造のバルブを指す言葉ではありません。では一体、バイパス回路に設置するバルブはどんなバルブが適しているのでしょうか。
バイパス回路の役割
どんなバルブが適しているかを考えるにあたって、バイパス回路の役割を考える必要があります。そのバイパス回路はいったい何のために設けられているのでしょうか。バイパス回路は大きく分けると2つの種類があるといえます。
- 減圧弁やスチームトラップが故障した際に、それらの機器を遮断して交換や修理を行いながらも、バイパス回路を使用して運転を続けることを目的とした、バックアップラインとしてのバイパス回路。
- 減圧弁やトラップの能力を補うことを目的としたバイパス回路。
これらの目的が異なれば、バルブに要求される機能も異なってきます。即ち最適なバルブ型式も異なる訳です。
バイパスに適したバルブ
機器取替時などのバックアップラインの例
機器取替時のバックアップラインとしてのバイパス回路は、単に流体を流すことができるだけではなく、減圧弁やスチームトラップの代わりをしなければなりませんからある程度「調整」が効くことが重要です。そのため、玉形弁タイプのバルブが適しています。
機器の能力を補うバイパス回路の例
能力を補う目的のバイパス回路は、圧力や量を補う目的ですから抵抗の少ないバルブを全開で使用することが多いはずです。また、制御に取り入れている場合は素早く開閉できることも要求されるでしょう。このような用途にはボール弁が適しています。
バルブの種類については蒸気のお話「バルブの種類と用途」でも取り上げています。
バイパスバルブを内蔵している機器
スチームトラップにはバイパス回路を内蔵したモデルが存在します。
スタートアップ時にはバイパスを開にして短時間でドレン排除し、定常時はバイパスを閉じてトラップのみでドレンを排除する使い方です。ただし、当然のことながら内蔵バイパス弁はトラップを取り替える際のバイパスとしては役に立ちませんのでご注意を。制御弁や減圧弁にはバイパスを内蔵した機種は存在しないようです。最適なバルブと組み合わせて使用しましょう。