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蒸気のトラブル
ウォーターハンマー6(まとめ)
ウォーターハンマー対策のまとめ
意外に思われるかもしれませんが、ウォーターハンマー発生箇所の特定には、温度分布を画像として視覚的に捉えるサーモビジョンが有効です。もちろんサーモビジョンは配管表面が露出していなければ使用できないため、保温施工前に実際の運転状態にして撮影するか、施工済みの場合は保温を一旦外して撮影します。
ウォーターハンマー発生時の配管温度
上のサーモグラフ画像はある工場のサンプルですが、同じ個所でウォーターハンマーが発生している時と発生していない時の温度の違いを表しています。
このサーモグラフ画像から分かるように、温度の高い蒸気と温度の低いドレンが接触するとハンマーが発生する確率が高くなります。つまり、高温の蒸気と低温のドレンの接触によって温度が大きく変化している場所を見つけることが対策の近道といえます。
しかし、蒸気とドレンの温度差が大きければ大きいほどハンマーが大きくなるというわけではありません。このウォーターハンマーシリーズの第1回目ウォーターハンマー1(発生のメカニズム)で紹介したように、蒸気とドレンの温度差が特定の範囲(例えば100℃の蒸気に対する60℃ー80℃のドレン)にある場合に、ハンマーが最も大きくなるとの実験結果もあります。
強大なウォーターハンマーは脅威ですので誰でも対策を講じますが、小さなウォーターハンマーは比較的軽視されます。しかし、ゆっくりでも破壊に進んで行くため予防保全として対策に取り組むことが重要です。