メインコンテンツに移動
  1. ホーム
  2. 蒸気のお役立ち情報
  3. もっと知りたい蒸気のお話
  4. 省エネルギーの目標値

省エネルギー

省エネルギーの目標値

 

まずは目標を定める

「省エネルギーの目的」では、省エネルギーの実践にあたっては最初にトップが目的・目標を明確にし、それを関係者全員に徹底することが重要であると説明しました。ここでは、一般的な次の3つを目標に置き、目標値の定め方を見ていくこととします。

  • 1. エネルギー使用量の総量削減
  • 2. エネルギー原単位の低減
  • 3. 温室効果ガス(CO2等)排出量の総量削減

省エネルギーの目標を定める

 

原単位の目標値の設定

これら3つの中で、法で規制されているのは原単位の低減のみです。「省エネ法」で中長期の省エネの目標値として「エネルギー原単位を年平均1%低減するように努力する」と規定されており、法で定めるところの特定事業者(エネルギー使用量が多い事業者)には報告義務があります。

また、その後の法改正では電力需要の平準化いわゆる電力ピークの対策を目的として、原単位に「電気需要平準化評価原単位」も指標とすることが加えられました。

年度ごとに生産量が大きく変動することは、工場においてはむしろ当たり前な中で、エネルギー原単位を年1%ずつ、しかも継続して低減していくことは簡単にできることではありません。省エネ法ではそれだけ高いハードルが設定されているのです。

 

原単位以外の目標値の設定

一方、原単位に比べてエネルギー使用量の総量やそのCO2換算については、法で定めらた項目ではないこともあり、最初からかなり思い切った目標値を設定する工場の例が多いようです。

現状把握にしっかりと時間をかけ、かつ定量的に行い、その中からロス対策や改善によって得られる予想効果を積み上げて、原単位と同様に理論的な目標値を設定する。そのような工場もあるようですが、実際には最低限の現状把握をすればよく、目標設定のための現状把握に必要以上の時間をかけてもあまり意味がありません。

従って、極端に言えば、最初は特に根拠がなくてもよいので、「何とか全員で智恵を絞って30%削減しよう」とか、「まずは今年中に10%低減しよう」・・・・など、トップが熱くその思いを関係者全員に向けて語ることからまずスタートするのがよいでしょう。

原単位以外の目標値の設定

 

目標値の例

省エネ活動において何よりも重要なことは継続性です。「省エネ活動のネタが尽きた」という声をよく聞く一方で、同一の企業、同一の工場でも毎年のように大きな省エネ効果を継続して上げておられる例も多くあります。

これらの事実から言えることは、目標値の論理性ではなく、その目標に向けて全員参加で組織的に活動を起こすこと、その結果として少しでもよいので削減できたという実績を上げること、そして決して諦めずに徹底して活動していくことです。

「省エネ・環境保全の活動には、ゴールはない」と、よく言われますがその通りだと思います。また、先の3つの目標に対する目標値は一般的に下記の程度を設定しておられる工場が多いようです。

  • エネルギー使用量の総量削減 1990年比10~20%削減
    前年比5~10%削減
  • エネルギー原単位の低減 1990年比10%削減
    前年比1%削減
  • 温室効果ガス(CO2)排出量の総量削減 1990年比10~20%削減
    前年比5~10%削減

これらを参考にしてみるのもよいでしょう。