メインコンテンツに移動
  1. ホーム
  2. 蒸気のお役立ち情報
  3. もっと知りたい蒸気のお話
  4. サーモスタティック・スチーム トラップ(ベローズ式)

スチームトラップの基本

サーモスタティック・スチーム トラップ(ベローズ式)

 

金属ベローズを使用した温度差で作動するスチームトラップです

ベローズとは蛇腹を意味する英単語です。蛇腹とは伸び縮みができる筒のことです。そこで金属製のベローズを用意すれば、蒸気のような高温域で伸び縮みさせることができる容器になります。

この金属ベローズの内部に液体を封入します。そして一方を固定してもう一方の先端に弁体を取り付けると、温度によって弁体を動かすことができる弁駆動機構になります。この原理を利用したスチームトラップがベローズ式のスチームトラップです。温度を利用しますので、サーモスタティックタイプに分類されるスチームトラップです。

上述の通り、作動原理は温度変化によって内部に封入した液体の体積が変化することを利用することですが、体積変化と言っても、温度変化による液体の体積膨張では変化量が小さく、弁を開閉するための伸縮量としては不足です。そのため、液体が蒸発して蒸気になったときと凝縮したときの体積変化を利用して大きな伸縮量を確保します。

ベローズとは蛇腹を意味する英単語です。蛇腹とは伸び縮みができる筒のことです。そこで金属製のベローズを用意すれば、蒸気のような高温域で伸び縮みさせることができる容器になります。

低温時にはベローズは収縮しており、スチームトラップとしては開弁状態です。高温ドレンや蒸気がトラップ内部に流入するとベローズが加熱されて内部の液体が蒸発膨張し、ベローズが伸びます。スチームトラップとしては閉弁状態になります。

この金属ベローズの内部に液体を封入します。そして一方を固定してもう一方の先端に弁体を取り付けると、温度によって弁体を動かすことができる弁駆動機構になります。この原理を利用したスチームトラップがベローズ式のスチームトラップです。

 

圧力によって開閉弁温度が変化する点がバイメタルとは異なります

具体的には常温常圧下で内部に液を封入する際にベローズを圧縮した状態でおこなうのです。この操作により密閉後のベローズ内部は大気圧以下の圧力になるわけです。

ところで、内部で液体が蒸発するということは、蒸発が起きる温度、つまり沸点が作動温度となることを意味します。
そして、沸点は圧力によって変化します。つまり、ベローズ式は内部に封入した液の蒸発を利用することにより使用する際の蒸気圧力によって自動的に作動温度が変化する機構を備えているのです。

圧力によって開閉弁温度が変化する点がバイメタルとは異なります

同じように温度を作動原理に利用するスチームトラップにはバイメタルを用いたタイプがあります。バイメタルを使用するタイプは使用蒸気圧力のいかんを問わずほぼ決まった温度で開閉動作をおこないますから、この点でベローズ式とは大きく異なります。

 

登場当初は様々な用途で使用も現在では少数派

ベローズ式のような作動原理にドレンと蒸気の温度差を用いるタイプは常温からスタートアップする際には確実に開弁しており、温度が低い初期のドレンだけでなく配管中を満たしていた空気を排出するのに有利です。実際、これらのスチームトラップは蒸気用のエアベントとしても活用されています。

ベローズ内に封入する液体としては、水またはアルコールを用いることが一般的です。水よりも沸点が低く、安全性も高く扱いやすいアルコールを用いる場合、蒸気の飽和温度よりも低温で開閉動作させることができるため、蒸気を漏らしにくいスチームトラップとすることができますが、蒸気温度が高くなる高圧蒸気条件ではベローズ内外の圧力差が大きくなりすぎて破損する虞もあります。そのため、アルコールはあまり高い圧力では使用することができません。

ベローズに代わって現在主流のダイヤフラム式

現在では、強固なケーシングと折り目がない平板ダイヤフラムで構成された容器を用いるダイヤフラム式が登場し、より高圧な条件でも使用できるようになっており、ドレンと蒸気の温度差を作動原理に利用するタイプのスチームトラップはベローズ式に代わりダイヤフラム式が主流になってきています。

ダイヤフラム式

通常の作動の場合

X-エレメント:通常の作動の場合