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スチームトラップの使い方

温調トラップの排出ドレン温度設定

 

正しい温度設定が重要です

温調トラップはドレンが排出され始める時の温度を任意に設定できるスチームトラップです。配管内流体の流動性確保や、凍結防止を目的とした保温トレーシングに使用されることが多く、排出ドレン温度を目的に合わせて最適化することで過加熱を防ぎながら、省エネにもつながる効率の良いトレーシングが可能です。

高粘性流体の流動性を良くする

高粘性流体の流動性を良くする

計装機器の凍結防止

計装機器の凍結防止

しかし、使用条件や用途に合わせてドレン排出温度を正しく設定しなければならず、設定が十分でないと、設備にも悪影響を及ぼしかねません。温調トラップを使用する上での注意点については、「温調トラップの注意点」で詳しく説明しています。

 

50℃~(飽和温度-10℃)で設定可能

温調トラップで設定可能な温度の下限は50℃ですが、外気温の影響を受けない範囲で確実に作動させるため、ドレン温度と外気温度の差がなくなる程の低い温度設定はできません。

温調トラップは温度によって弁を開閉させる、弁機構を採用しています。温調トラップをはじめ、サーモスタティックトラップは温度の検知は可能ですが、ドレンであるか蒸気であるかは検知できません。

そのため、蒸気の温度とドレンの温度が等しくなる飽和温度に設定した場合は、蒸気が流れ続けてしまう可能性があります。これではスチームトラップの役割を果たしているとはいえません。これを防ぐには、飽和温度よりも低めの温度で開閉弁するように設定しなければならず、飽和温度よりも10℃程度低い温度が上限の目安となります。

 

温度設定方法

温調トラップの排出ドレン温度の変更は、頂部の調整ねじを回転して行います。

温調トラップの排出ドレン温度の変更は、頂部の調整ねじを回転して行います。

温調トラップ本体には目盛りや温度指示はありません。そのため必ず該当する機種の温度設定用線図を見ながら行います。使用する蒸気圧力を定めて設定温度を決めると調整ねじの回転数が判明しますので、それにしたがって設定を行います。

以上の方法で設定する排出ドレン温度は非常に再現性が高く、温度計を併用しなくても線図にしたがって設定すれば、任意の温度のドレンを排出させることができます。

 

設定操作時の注意

温調トラップの経年劣化等により、操作によって外部への蒸気漏れが生じる可能性があります。そのため、設定操作を行う場合は温調トラップの前後弁を閉止し、トラップ表面温度が室温に下がったこと、トラップ内部の圧力が大気圧に下がったことを確認してから実施してください。

外部への蒸気漏れが認められる場合は取扱説明書に従ってメンテナンスを行い、正常復帰してから改めて設定操作を行ってください。また、蒸気通気を再開する際にも外部漏れがないことを確認してください。作業時は安全のため手袋や保護めがね等、保護具を着用しましょう。

 

温調トラップの特性

温調トラップは、調整ねじを操作して設定温度を変更すると所定の温度に安定するまでに10分程度かかります。その間にスチームトラップ一次側の温度も変化しますので、トラップ一次側の温度変動幅としてはプラスマイナス10℃ほどを見ておく必要があります。

温調トラップの特性

また、温度調整の際は十分に安定したことを確認してから、再調整を行うようにしてください。