メインコンテンツに移動
  1. ホーム
  2. 蒸気のお役立ち情報
  3. もっと知りたい蒸気のお話
  4. スチームトラップの連続排出と間欠排出の違い

スチームトラップの基本

スチームトラップの連続排出と間欠排出の違い

 

連続排出・間接排出とは

スチームトラップにはドレンを排出する際の動作として、連続的に排出するタイプと間欠的に排出するタイプがあります。

「連続排出とは、たまったらいつでも排出するという動作のこと?」

と、しばしば聞かれることがあります。これは少し違います。“たまったら”ということは、たまるまで排出せずに待っている時間があるわけですから、実はそれだと、間欠排出ということになります。そこで本稿では、意外に知られていない連続排出と間欠排出の違いを実写動画を通して考えてみることにします。

まず、連続排出・間欠排出とは言葉で表すと次のようになります。

  • 連続排出:スチームトラップへのドレン流入がある限り途切れずに排出し続ける
  • 間欠排出:排出する時間と止まっている時間が交互に現れる

文字だけではピンとこないかもしれません。そこで百聞は一見にしかずです。実際の動きを動画で見てみましょう。連続排出の代表としてフリーフロートタイプ、間欠排出の代表としてディスクタイプの作動状態をビデオ撮影したものです。

フリーフロートタイプではドレン量の違いによって排出流量が異なるものの、止まることなく排出が続いています。これが連続排出です。ディスクタイプでは排出流量が異なることはもちろんですが、排出の途中で閉弁して流れが止まることが確認できます。これが間欠排出です。

この動画では双方のスチームトラップに対して同じ条件でドレンを連続で供給しています。連続してドレンが流入してきても排出はトラップのタイプによって異なることが、この動画からわかります。

 

連続排出・間欠排出の違いは構造・作動原理で決まる

では、連続排出と間欠排出というドレン排出方法の違いが生じる要因は何でしょうか。スチームトラップが連続排出するのか間欠排出するのかは、ドレン量や圧力などの運転条件で決まるわけではなく、構造および作動原理によってあらかじめ決定されています。

スチームトラップの役割とは「ドレンは通して蒸気は止める」ことであるため、スチームトラップは弁機構を備えています(オリフィスタイプを除く)。この弁機構がどのようなメカニズムで動くかによって連続排出なのが間欠排出なのかが決まっています。

市場に存在するスチームトラップの主なタイプを分類すると次のようになります。

連続排出するスチームトラップ間欠排出するスチームトラップ
フリーフロートタイプ    
レバーフロートタイプ    
オリフィスタイプ
バケットタイプ    
ディスクタイプ    
バイメタルタイプ    
感温式エレメントタイプ    
(バランスドプレッシャーやベローズなど)

フロートタイプは連続排出です。弁機構を持たないオリフィスタイプも連続排出です。それ以外のタイプは間欠排出です。このように、間欠排出するタイプが多数派なので、スチームトラップは間欠排出するものと認識されている方がいらっしゃるかもしれません。

作動原理の詳細は各タイプのスチームトラップを説明するページで詳しく述べていますのでそちらを参照いただくとして、ここでは連続排出するスチームトラップと間欠排出するスチームトラップの実際の作動状況を撮影した動画を紹介します。

 

連続排出タイプは流入流量に応じて排出流量が変わる

連続排出するスチームトラップの動作には「たまる時間」がありません。スチームトラップへ流入してきたドレンはその量だけ、時間遅れなく排出されます。流入量が多ければ多く排出され、流入量が少なければ少なく排出されます。もちろん流入が止まれば排出も止まります。

スチームトラップへ流入するドレン量を変化させた時の挙動を撮影したものが以下の動画です。

バルブの開度で流量を調整するように、排出流量が変化しながらも連続的に流れることがわかります。フロートタイプのスチームトラップでは、ドレンの流入量に応じて変化する水位によって弁であるフロートの位置が変わり、弁としての開度が自動的かつ連続的に変化するためです。

 

間欠排出タイプは流入流量に応じて排出・閉止時間が変わる

間欠排出するスチームトラップには「排出する時間」と「排出しない時間」があります。前述の通りスチームトラップへのドレンの流入が連続であったとしても、弁機構の開閉メカニズムというスチームトラップ側の理由で間欠的な排出になります。ドレン量によって排出中の瞬時流量の他、排出している時間と単位時間当たりの排出回数も変化します。

ディスクタイプのスチームトラップでは、一旦閉弁するとスチームトラップ内部の圧力が所定の値まで低下しないと開弁できないため、必ず間欠的な排出になります。

各々の違いを知ってスチームトラップの状態を判断

このように、スチームトラップには連続で排出する状態が本来の姿であるものと、間欠で排出する状態が本来の姿であるものとがあります。 連続排出と間欠排出の違いを知っていれば、目の前のスチームトラップが故障しているかどうかを判断する手助けとなります。

なお、連続してドレンが排出されるということは、ドレン圧力(温度)が高い場合にはフラッシュ蒸気も連続的に伴いますので、蒸気漏れと見誤らないよう注意が必要です。フラッシュ蒸気を蒸気漏れと誤認してしまい、スチームトラップの故障と誤判断されるケースがあります。

排出されるドレンから発生するフラッシュ蒸気については実写動画で説明した「蒸気漏れとフラッシュ蒸気の見分け方」も参考にしてみてください。