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配管

配管からのドレン排除 前編(ドレンの取出し方)

 

蒸気配管からのドレン排除の原則

蒸気配管は、良質な蒸気を安定して円滑に蒸気使用設備まで供給することを目的とします。そのため、配管中に発生するドレンは迅速かつ確実に排除しなければなりません。ドレンを排除するためには、蒸気輸送配管にスチームトラップを設置します。

このスチームトラップは、ただ取り付ければ良いという物ではありません。

スチームトラップが作動するには、ドレンが流入するような場所、方法で設置する必要があります。また、蒸気輸送配管は装置と異なり30m/s程度の流速で蒸気が流れるため、ドレンも飛沫となり高速で流れている場合があり、これらも考慮して設置しなければなりません。

蒸気輸送配管からドレンを排除する際に問題となるこれらのポイントを、次の4つのステップに分けて考えてみます。

 

ステップ 1 : スチームトラップの設置箇所

蒸気配管の直線部であっても30~50m間隔にドレン抜きのスチームトラップを設置します。ドレンが滞留しやすい以下の場所にもスチームトラップの設置が必要です。

蒸気配管の直線部であっても30~50m間隔にドレン抜きのスチームトラップを設置します。

制御弁や減圧弁の手前
スチームトラップの設置箇所:制御弁や減圧弁の手前

閉弁した際にドレンが滞留しないようにするため、また流れているときもドレンによる弁シート部分のエロージョンなどの影響を避けるため、これらの弁の直前にはドレン抜きのスチームトラップを設置します。

長期間締め切るバルブの手前

スチームトラップの設置箇所:長期間締め切るバルブの手前

弁閉止中は配管末端と同様とみなせますのでドレン抜きのスチームトラップを設置します。

配管の立ち上がりの手前や長い立ち下がりの後

スチームトラップの設置箇所:配管の立ち上がりの手前や長い立ち下がりの後

立ち上がり部は、重力の影響で蒸気の流れに逆らって低部にドレンが集まってくるためドレン抜きのスチームトラップを設置します。立ち下がり部も直前の水平部分からの分も含めた量のドレンが集まってくるためドレン抜きのスチームトラップを設置します。

 

ステップ 2 : 蒸気輸送配管の支持と勾配

配管の支持間隔が広いと、自重によるたわみが生じて配管に低い箇所ができてしまいます。配管全体としては勾配が取れていても、たわみによって低くなった箇所にドレンが滞留する恐れがありますので、適切な配管支持を行った上で、先下がりで1/200から1/100程度の勾配を設けます。

建物の軒を基準に勾配を設けているような場合、軒そのものが傾いているなどの理由により、上手く勾配が取れていないことがあります。勾配が適切でないと設定したドレン抜き出し箇所が機能せず、ドレンを上手く取り出せません。

配管にたわみが生じてドレンが滞留する

配管にたわみが生じてドレンが滞留する

配管が水平であるためドレンが流れない

配管が水平であるためドレンが流れない

先下がり勾配なのでドレンが流れる

先下がり勾配なのでドレンが流れる

 

ステップ 3 : 蒸気輸送配管からのドレン抜き出し

スチームトラップの接続口径は15Aから25A程度で、多くはこの配管径で蒸気輸送配管に接続されます。15Aや25Aの細い配管に、蒸気流速に乗って流れているドレンを流し込むには、効率的にドレンを捉え、スムーズにスチームトラップへ流すことができるような工夫が必要です。

蒸気輸送配管からのドレン抜き出し

十分な径を持つ下方への張り出し部分でドレンを捉えるようにします。これらはドレンポットやドレンポケットなどと呼ばれます。ドレンポケット下端より20~50mm上からトラップへの接続配管を設置すれば、トラップへのゴミの流入を少なくできます。この場合、蓋フランジにブローバルブを設置することでゴミのブローが可能です。

ドレンポットやドレンポケット

 

ステップ 4 : 蒸気輸送配管末端のトラッピング

蒸気輸送配管の末端では、ドレンに加え、蒸気通気前に配管内を満たしていた空気も、蒸気に押されて流れてきます。そのため、スチームトラップの設置だけではなく、空気排除のため蒸気用エアベントを設置することも検討します。

蒸気輸送配管末端のトラッピング

加工が容易だからといって蓋フランジを利用して、ドレンの取り出し口を設置してはいけません。この方法では、ドレン取り出し口の高さまでドレン水位が上昇しないと排出できません。途中のドレン取り出しと同様、配管下方にドレンを一旦集めてからスチームトラップへ導くようにします。

蒸気輸送配管末端のトラッピング

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