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省エネルギー

廃熱回収

廃熱?排熱?

「廃熱回収」は、有効利用されることなく廃棄されている熱エネルギーを再利用し、エネルギーコストとCO2排出量の低減を図るものです。「排熱回収」と書かれることもありますが、排熱は主に排出されている状態を指していることが多いため、使わずに棄てられてしまう熱としては、廃熱の方が広い範囲を指しているとみなすことができます。

身近な廃熱回収の例

廃熱回収の具体的な例をいくつか挙げてみましょう。 モータースポーツに詳しい方ならご存知かもしれません。 F1マシンのパワーユニットには、エンジンの排気ガスの熱エネルギーを電気エネルギーに変換する廃熱回収システムが搭載されています。

エコノマイザー(=節炭器)

もっと身近な機器単体での廃熱回収も、古くから広く行われています。 例えばボイラーのエコノマイザー(=節炭器)は、ボイラーの燃焼排気ガスが持つ熱エネルギーで給水予熱を行う廃熱回収方法です。この方式をとることにより、廃熱回収前は80%台だった熱効率が95%前後まで高められます。

エコノマイザー(=節炭器)

吸収式冷凍機

冷熱を発生させる冷凍機にも、廃熱回収による省エネ型があります。 吸収式冷凍機には、蒸気を熱源として吸収液を加熱する方式があります。 高温再生器は蒸気で加熱し、その前段階は高温再生器から排出されるドレンで予熱して蒸気使用量を削減する「多重効用」タイプがそれです。

吸収式冷凍機

  • 蒸発:水が蒸発して熱を奪います(気化熱の利用)
  • 吸収:吸収液が水蒸気を吸収します
  • 再生:薄くなった吸収液を加熱して、元の濃さに戻します
  • 凝縮:水蒸気を冷やして、液体の水に戻します

同様の廃熱回収システムは当社の蒸気式温水器 スチームアクアの一部機種にも搭載されています。「ドレンプレヒーター」で蒸気ドレンの熱エネルギーを給水予熱に使います。 このように1つの機器内で熱交換ができれば、高温流体を移送する際の放熱ロスも小さくできるため、熱効率向上には非常に有効です。

蒸気システムの廃熱回収

廃熱の利用は機器単独で行えることが理想ですが、それが可能な機器ばかりではありません。 蒸気システムには、高温の蒸気凝縮ドレンが排出される機器や、低圧の蒸気を排気する機器、高温の熱水が排出される機器などがあります。湯気が上がっている箇所、蒸気が直接排気されている箇所などが熱源となりそうな廃熱が存在している箇所です。 機器内で熱エネルギーを使い切れない場合は、工場や事業所全体に範囲を広げて使い道を探しましょう。

残念ながら一般産業の世界では、比較的低温の熱エネルギーから電気エネルギーへ、安価で効率よく変換できる方法はあまり存在しません。そのため、蒸気システムの廃熱回収は熱エネルギーの再利用が軸となります。熱源としての蒸気は100℃から200℃の範囲で使用されることが多いため、 蒸気システムの廃熱回収を考えるとき、被加熱物の温度は常温から100数十℃辺りが狙い目になります。

蒸気システムの廃熱の様々な利用方法

廃熱の種類が様々であれば、回収して利用する方法も様々です。

蒸気凝縮ドレンなどの熱水を、熱水として直接使用する

蒸気凝縮ドレンなどの熱水を、熱水として直接使用する

熱交換器の熱エネルギーだけを使用する

熱交換器の熱エネルギーだけを使用する

高圧の熱水のフラッシュ蒸気(=再蒸発蒸気)を分離して使用する

高圧の熱水のフラッシュ蒸気(=再蒸発蒸気)を分離して使用する

排気される蒸気を、そのまま低圧蒸気ラインで使用する

排気される蒸気を、そのまま低圧蒸気ラインで使用する

排気される蒸気を、スチームコンプレッサーや圧縮機で昇圧して高圧蒸気として使用する
スチームコンプレッサーシステム

スチームコンプレッサーシステム

スクリュ式蒸気圧縮機

スクリュ式蒸気圧縮機

特に、機械的に圧縮して蒸気圧力を高める機器は、近年登場した新しい手段です。排気・放出されている蒸気の昇圧はもちろんのこと、フラッシュタンクと組み合わせて、蒸気凝縮ドレンなどの高圧熱水から生じるフラッシュ蒸気を昇圧させることも可能です。