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省エネルギー

ボイラーの省エネ対策

ボイラーの省エネで大切なことは

蒸気の省エネを進める時、最初にチェックすべき事項は、蒸気を発生させるボイラー自体の効率とボイラーがその効率を発揮して運転できているかどうかの運転管理です。

ボイラー効率は、ボイラーの性能そのものですから新設や更新の際にできるだけ高効率なものを選定しておくことが重要です。しかし、高効率なボイラーを選定してもそのボイラーの性能を発揮できるような運転をしなければ、実際の効率は低くなってしまいます。例えば、小型ボイラーの多缶設置による台数制御や、燃焼状態をきめ細かく制御する高度な運転方法などは実際の運転効率を高く保つための取組です。

自社で使用しているボイラーの効率は?

それでは、まず自社のボイラーの効率を確認してみましょう。ボイラーメーカーのカタログや仕様書等に、ボイラー効率が掲載されていますのでこの値を確認してください。しかし、これはボイラーを最も高効率で運転した時の値であり、実際に皆さんの工場で運転しているボイラーが、この値で運転できているかどうかは一概には言えません。つまり、ボイラーが本来持っている性能であるボイラー効率と実際に運転されているボイラー効率を比較することで省エネのためにボイラー廻りで改善すべき課題が見えてきます。

実際に運転されているボイラーの効率は、一般的には入熱と出熱を比較する次の計算式で求めます。

ボイラー効率(%) =  出熱(※1)  ×100
 入熱(※2) 

※1:出熱 = (実蒸発量) × (蒸気の比エンタルピー − 給水の比エンタルピー)

※2:入熱 = (燃料消費量) × (燃料の発熱量)

この時、実蒸発量とはボイラーから蒸発した正味の蒸発蒸気量で、ボイラーの蒸気出口で蒸気量を計測するか、給水量から缶水ブロー量を差し引いて求めます。また、実蒸発量は工場の蒸気負荷によって常に変化するものですから、ボイラー効率を把握・評価するためには、負荷の大きい時、小さい時も含めて蒸気流量を毎時間計測しましょう。

一日の平均ボイラー効率と照らし合わせることで、負荷変動がボイラー効率に与える影響を検討できます。もし影響が現れているならば、できるだけ蒸気量の変動が起きにくいような生産計画を立てるなど対策をとることができます。同様に夏場・冬場の蒸気流量変動と年間の平均ボイラー効率へ発展させて評価してみましょう。

炉筒煙管ボイラー、貫流ボイラー

ボイラー廻りで出来る省エネ

省エネ法では「工場におけるエネルギー使用の合理化に関する事業者の判断基準」として、「燃焼の合理化」や「加熱及び冷却ならびに伝熱の管理」などの項目で具体的に管理すべき項目を明示しています。これらの中でボイラーを高効率に運転するために該当する項目は、

  • 燃料の燃焼における空気比の管理標準を設定すること
  • 燃料の燃焼効率が高くなるように燃料の粒度・粘度等を適切に調整すること
  • 燃料の使用量、燃焼に伴なう排ガスの温度、排ガス中の残存酸素量、ボイラーの蒸発圧力、蒸気量、缶水ブロー量などを定期的に計測・記録・保存すること
  • 燃焼設備の保守および点検に関する管理標準を設定し、定期的な保守・点検を実施し、記録・保存すること
  • ボイラーへの給水はJISのB8223の水質基準に準じた水質管理を行うこと

などです。

過剰な空気比は排ガス損失を増大させます。省エネ法では液体燃料や気体燃料を使用するボイラーでは、空気が1.1~1.3程度になるよう管理することが定められています。また、ボイラー給水の質が悪いと缶水ブロー量が増えたりキャリーオーバー水が増えたりしてボイラー効率を低下させる要因になります。判断基準の詳細も省エネ法に定められています。

ボイラーの周辺機器でもロスが生じている場合があります。例えば、大型のボイラーには蒸気を吹き込むタイプの脱気器が装備されていることがありますが、蒸気量の管理が十分でなく、過剰供給されてロスになっていることがしばしば見受けられます。

最後にボイラー廻りの改善として実施される省エネ対策の効果についてまとめます。ボイラーの種類、容量、使用燃料等によって変わりますが、主な改善テーマ別の効果の目安は下の図の解説のとおりです。

ボイラー廻りの改善と省エネ対策の効果

給水温度の上昇や燃焼用空気比の適正化など、比較的効果が大きく出る項目があります。蒸気の発生源であるボイラーは燃料そのものを消費する機器ですから、まず徹底した省エネが必要です。