その他機器など
減圧弁の締切昇圧
減圧弁では蒸気は止められない
減圧弁には締切昇圧と呼ばれる現象があります。締切昇圧とは、減圧弁二次側が締め切り状態になったことで発生する昇圧現象です。具体的には、減圧弁二次側の蒸気消費、つまり負荷をゼロにした際に、減圧弁二次側圧力が設定値を超えて上昇してしまう現象のことです。
減圧弁は、蒸気を閉止するための弁ではありません。減圧弁で蒸気を閉止したり、減圧弁二次側の負荷をゼロにしたりできないことは、カタログや仕様書のスペック上にも表れており、設定可能な二次圧力や調整可能な流量範囲の下限もゼロにはなっていません。
正常な減圧弁であっても締切昇圧が発生した結果、減圧弁二次側の安全弁が吹いてしまう(作動してしまう)ことの原因は、減圧弁二次側の安全弁トラブルで詳しくご説明しています。
締切昇圧の原因
締切昇圧が発生する原因は、減圧弁の弁漏れです。弁が全閉していても、弁漏れによって蒸気が一次側から二次側へ流れることで二次側圧力が上昇してしまい、締切昇圧が発生します。
そのため、減圧弁の一次側で蒸気を遮断した場合には、締切昇圧は発生しません。