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蒸気の基本

蒸気の状態による分類

蒸気の状態とは

水は加熱をしていくと「気体の水」である水蒸気になりますが、その圧力や温度の組み合わせによって同じ蒸気でも随分と性質が異なります。
蒸気の種類と用途では用途の面から蒸気を分類しましたが、本稿では蒸気の状態で分類して説明します。

飽和蒸気

最も身近な「蒸気」です。飽和状態とは液相の水と気相の水が共存している状態で、別の表現をすれば、蒸発する速度と凝縮する速度が同じです。ボイラーで発生する蒸気は基本的に飽和蒸気です。加熱源としてみた場合、種々の優れた特性があり、100℃~200℃の加熱を行うための熱源としては非常に広く使用されています。

飽和蒸気が以下の理由で、熱源として広く使用されています。

潜熱加熱による高速かつ均一な加熱ができる品質・生産性向上

圧力と温度が一義的に決まる温度制御に代えて圧力制御可能

熱伝達率が高い伝熱面積を小さくできて設備投資軽減

元が水なので安全・低コスト

但し、放熱により蒸気自体が凝縮して水(ドレン)が生じるため、蒸気輸送配管にもドレン排除のためのスチームトラップを設置する必要があること、乾き度の高い状態で使用しなければ加熱効率が落ちること、配管抵抗などの圧力損失で圧力が低下した場合に温度も下がってしまうなど注意が必要な点もあります。

過熱蒸気

過熱蒸気は飽和蒸気を更に加熱することにより、ある圧力において飽和温度以上の蒸気温度を持つ蒸気のことです。主として動力用途に使用され、加熱用途にはあまり使用されません。

過熱蒸気が加熱源としてあまり使用されない主な理由は以下の通りです。

過熱部分は顕熱であるため加熱中に温度変化がある品質への影響

圧力が一定でも温度が一義的に定まらない圧力制御が使えない

熱伝達率が低く伝熱効率が悪い生産性・設備投資への影響

このように、熱交換器を用いて加熱する場合、加熱源として飽和蒸気よりも優れた点がありません。その一方で、直接加熱用の熱源としての「高温ガス体」として見た場合には、無酸素状態で加熱できる等の点で空気を加熱した熱風よりも優れており、食品などの焼成・乾燥用途の研究が進んでいます。

タービンの動力源として過熱蒸気が使用される主な理由は以下の通りです。

  • 蒸気原動機はドレンを嫌うため蒸気の乾き度を低下させたくないため
  • 熱効率の向上

過熱状態で供給し、過熱状態を保ったまま排出させれば、エロージョンの原因となるドレンが蒸気原動機内で発生せず好都合です。また、タービンの理論熱効率はタービン入口と出口におけるエンタルピーの値で計算されるため、圧力だけでなく過熱度も上げてタービン入口側のエンタルピーを増大さることが熱効率の向上に有効です。

超臨界水

超臨界水は水の臨界点、22.06MPa・373.95℃を超えた状態の水のことです。蒸気表をお持ちの方はご確認いただきたいのですが、臨界点で蒸発潜熱がゼロになります。そして液相部分の比容積と気相部分の比容積が全く同じになります。
つまり、これより高圧・高温の水は液体とも気体ともいえない混沌とした状態になっていると言うことです。より高効率を求める発電所のタービン動力用として用いられるほか、液体と気体の特性を同時に持つ流体として、特に化学反応時の溶媒としての性質が注目され研究されています。

各種蒸気の分布

各種蒸気の圧力と温度分布

各種蒸気の圧力と温度分布

各種蒸気の名前をクリックすると、各種蒸気の状態がご覧いただけます。

各種蒸気の状態

液相状態

液相状態の見た目のイメージ

液相状態

水の最も身近な状態です。人間の体も体重の70%程度は水分だそうです。水素結合の働きによって、常温・常圧下で液体として安定しています。

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飽和蒸気

飽和蒸気

飽和蒸気

飽和蒸気は潜熱を失うと直ちに凝縮するため、配管から放出された飽和蒸気は外気に触れて一部が凝縮して白い湯気(細かい水滴)が見えます。与えられた熱により内部エネルギーが大きくなり、分子の運動が活発になります。活発になった分子運動によって水素結合を断ち切られると水は気体になり「蒸気」となります。

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過熱蒸気

過熱蒸気

過熱蒸気

過熱蒸気は外気に触れて温度が下がっても、過熱状態を保っていれば凝縮しません。そのため湯気が見えません。過熱蒸気は同じ圧力の飽和蒸気よりも熱量を多く保有していますので、分子の動きはより活発になり、密度は小さく(=比容積が大きく)なります。

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超臨界水

超臨界水の見た目のイメージ

超臨界水

目にすることはできませんが、液体でも気体でもないこれも水の姿です。イメージとしては分子の動きは気体である蒸気に近く、密度は液体の水に近い状態です。

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