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蒸気の基本

蒸気単価の計算

蒸気単価とは

蒸気単価とは、単位量当たりの蒸気の価格です。工業的には蒸気の量は質量で表すことが多いため、通常は円/kgや円/tが単位として用いられます。蒸気単価は主に、次の場面で使用されます。

蒸気が漏洩している場合の損失額の計算/蒸気使用量を削減できた場合のメリット計算

蒸気単価の内訳

自家消費する場合、原価だけを考えれば良いので、物の値段は原材料費+加工費で大体決まります。蒸気単価も同じように考えることができます。

蒸気の原料は水です。まず、水を入手するための費用が必要です。軟水化、純水化のための水処理に費用がかかればその分プラスします。ボイラーや配管の保護のために薬剤を使用する場合は、その費用もプラスします。これらの費用が原材料費に相当します。

加工に相当する部分は、給水ポンプとボイラーが担います。それらの動力費用も加工費の一部であり、特にボイラーで液体から気体へ相変化させるために使用する燃料費(電気ボイラーなら電力費)が必要です。

ポンプの電力費や人件費などを組み入れるという考え方もあるでしょう。どこまでの範囲を含むかは、蒸気単価の使用目的によって違ってきます。

蒸気単価の内訳

蒸気の価値

蒸気は液体の水が気体になったものですが、実際に計算してみると、蒸気単価(原価)は材料である水自体の費用よりもはるかに高額となります。これは、蒸気単価の大部分を燃料費が占めているためです。

蒸気を水というよりも熱としてとらえ、蒸気がエネルギーを輸送する手段(熱媒体)であることを考えれば、熱の価値が高くなるのは当たり前と言えます。

燃料費が安価であれば、それだけ安く蒸気を作ることができます。燃焼炉の廃熱などを利用する廃熱ボイラーから発生する蒸気では、蒸気単価がゼロと設定されることもあります。

生成した蒸気を他者へ販売する際の蒸気単価は、両者の合意に基づき決定されます。その場合の蒸気単価には、需給バランスや利益、その他原価以外の要因も含まれてきます。

計算例

実際に、蒸気単価を計算してみましょう。

1. 各帳簿から使用量と費用が明確になる場合は、その合計から以下のように蒸気単価を求めることができます。

例)蒸気1000kgを作るために必要な水の費用が500円、水処理にかかった費用が500円、燃料費が5000円の場合、蒸気単価はこれらの合計である6000[円/t]になります。

2. 帳簿の照会ができない場合は、以下の手順で計算します。

(1)  水単価に水処理費用、薬剤費用をプラスします

(2)  (1)÷(1-ブロー率)で、ボイラーからの濃縮水ブローにより減少した水・薬剤分を調整します

(3)  燃料発熱量×ボイラー効率で、蒸気発生に使用できる熱量を算出します(ボイラー効率は100%ではないため、燃料の低位発熱量xボイラー効率で考えます)

(4)  (発生蒸気圧力における飽和蒸気の全熱-給水温度相当の顕熱)÷(3)で、単位蒸気量を発生させるために必要な燃料量を算出します

(5)  (発生蒸気圧力における飽和水の顕熱-給水温度相当の顕熱)÷(3)×ブロー率で、濃縮水ブローが消費した燃料量を算出します

(6)  ((4)+(5))×燃料単価で、単位蒸気量を発生させるために必要な燃料費を算出します

(7)  (2)+(6)=蒸気単価となります

[蒸気単価]= (給水費用+水処理費用+薬剤費用)÷(1-ブロー率)

(蒸気全熱-給水顕熱)÷燃料発熱量×ボイラー効率×燃料単価

(飽和水顕熱-給水顕熱)÷燃料発熱量×ボイラー効率×燃料単価×ブロー率

このようにして、大まかな蒸気単価を求めることができます。
また、PC用技術計算ツールを使って蒸気単価の計算を行うことも可能です。

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