蒸気の基本
クリーンスチームとピュアスチーム
蒸気の質とは?
「蒸気の質」について考えてみたことはありますか?食品、電子材料、医薬品等生産物によっては、使用する蒸気に一定の質が求められる場合があります。蒸気の質への取り組みとは、ゴミなどの異物やドレン水滴などが含まれていない「きれいな蒸気」を理想として、どれだけその状態に近づけられるかという取り組みであると言えます。
そもそも蒸気は水が蒸発したものであるため、凝縮ドレンはともかく、純粋なH2O(水)の気体であれば、H2O以外の異物は何も混じっていないはず、なのですが、実際にはそれほど簡単な話ではないようです。
蒸気の質を左右する要素
蒸気の質を左右する要素として、以下が挙げられます。順番に詳しく見ていきましょう。
- 水とその処理方法
- 蒸気発生装置
- 蒸気輸送過程
水とその処理方法
通常、蒸気は軟水化処理した水を沸騰させて発生させます。ボイラーへの給水として用いられる軟水は、目に見えるような大きな異物はもちろん、水中に多く含まれるカルシウムイオンやマグネシウムイオンを規定値以下まで除去しています。
それでも、規定値以下のイオンや除去対象以外のイオンが含まれます。また、脱気の程度によっては、酸素や二酸化炭素などのガスが混在しています。更に、一般のボイラーではボイラー缶体(ドラムや伝熱管など)保護のための清缶剤や、配管保護のための復水処理剤などの薬剤がしばしば注入されます。