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蒸気のトラブル

トラップの凍結対策

凍結対策の決め手はドレンの完全排除

冬場になると蒸気配管やスチームトラップで凍結が発生し、復旧に長い時間を要することがあります。もちろん運転中に凍結する訳ではなく、蒸気プラントの休止時に、蒸気配管やスチームトラップ内に残留したドレンが凍結することにより、トラップやバルブの本体が割れたり、本体が割れなくてもパッキンが破損したり、内部の部品が変形するといった問題が起こります。

対策としては、プラントの休止時に配管やスチームトラップ内にドレンを残留させないこと、つまり温度が下がる前にドレンを外へ排出してしまうことが基本です。具体的な対策方法を、「スチームトラップの対策」「配管施工上の対策」「操作上の対策」の3つの切り口で見ていきましょう。

スチームトラップの対策

1. 垂直設置型を選ぶ

2. 内部に水が残らない構造の物を選ぶ(ディスクタイプなど)

3. 手動ブロー弁または自動凍結防止弁を取り付ける

凍結しやすい場所にスチームトラップを設置する場合は、ドレンがたまらないよう1. 2.のタイプを選びます。もう一歩進んで、中にたまったドレンを完全に抜くには、手動・自動で抜ける3.を選びます。

配管施工上の対策

1. トラップからの出口管は太く短くする

2. トラップからの出口配管は自然流下できるようにする

3. トラップからの出口配管を立ち上げない

トラップからの出口管は太く短くする トラップからの出口配管は自然流下できるようにする トラップからの出口配管を立ち上げない

トラップの出口側配管が長いと、排出されたドレンが途中で凍結してしまうことがあります。途中で凍結するとそれ以降ドレンを排出することができなくなり、トラップや配管内にドレンが残留したまま凍結に至ってしまいます。

トラップ出口側の配管は、ドレンが排出されやすい構造にしましょう。

操作上の対策

1. 各箇所のブロー弁を開放する

2. 圧縮空気を用いたエアブローを行う

装置を停止する時は、1.によってあらゆる箇所からドレンを抜きます。その際、よりドレンが抜けやすくするには2.で勢い良くドレンを吹き飛ばします。

手軽に対策ができる自動凍結防止弁

スチームトラップの対策の章にも登場した、スチームトラップの凍結対策に用いられる専用の機器が『自動凍結防止弁』です。手軽に凍結対策ができるとして、広く利用されています。

自動凍結防止弁は、蒸気の送気が停止され圧力が下がると弁を開き、自然流下でドレンを自動的に排出するものです。配管やスチームトラップのドレンが滞留する位置に設置して使用します。

入口圧力が0.02MPaG以下まで下がると、内蔵しているコイルバネによって自動的に弁が開き、残留するドレンは重力で流出します。蒸気が通気されて入口圧力が0.03MPaG以上に上昇すると閉弁します。

自動凍結防止弁

動きとしてはブロー口を自動的に開閉しているだけなので、以下が設置の条件となります。

  • ドレンが自然流下で排出される位置への取り付け
  • 排出されたドレンが出口側配管から自然流下出来ること

また、配管施工上の対策の章でも触れたように、自動凍結防止弁の出口配管を長くしないことも重要です。

自動凍結防止弁の出口配管を長くしないことも重要です

最後の手段?

前述のように、凍結対策の基本は配管やスチームトラップ内にドレンを残留させないことです。しかし、蒸気配管の取り回しやスチームトラップの構造によっては、内部のドレン残留が避けられないケースもあります。その場合の残された方法は、冷やさない、または熱を加えることです。

  • スチームトラップを屋内などあまり温度が下がらない場所に設置する
  • 電熱テープを巻いた上で保温断熱する
    (但し、電熱テープは蒸気を通気する通常使用時にも耐えられる耐温度性能を持つものを使用する)
  • 蒸気を通気し続ける、または凍結しない程度のサイクルで間欠的に蒸気を通気する

最後の手段はさて置き、「ドレンを溜めない」という対策は寒冷地に限らずどの地域にも有効な方法です。ドレンが滞留すると、凍結以外に配管のさびやウォーターハンマーの原因にもなります。その意味でも、ドレンを溜めないことはトラブルを防ぐ基本と言えます。