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スチームトラップの基本

スチームトラップのタイプ別使い分け

スチームトラップ選定の基本

スチームトラップの重要な機能は、蒸気輸送管や蒸気使用装置などで発生したドレンを速やかに排出することです。次に省エネルギーの観点から蒸気を漏らさないこと、更に空気などの不凝縮ガスを排出する機能が求められます。

スチームトラップは構造や作動原理からいくつかのタイプに分類されており、様々な機種があります。数あるスチームトラップの中から最適な1台を選ぶためには、以下のステップに従って順に絞り込んでいきます。

1. 使用する用途

2. 使用する条件

3. 発生するドレン量の安全率

4. ライフサイクルコスト

個々のステップの詳細は上記リンク先ページに詳しく述べられているため割愛し、ここでは特にトラップ選定の前提としてスチームトラップの各タイプはどのような用途に適しているかについてご説明します。

トラップの作動原理による3つの分類

スチームトラップの様々な機種にはそれぞれ特色があり、特に作動形態の違いは、蒸気輸送配管や蒸気使用装置といった用途との適否に直結します。スチームトラップは作動原理により大きく3つに分類されます。作動原理についてはスチームトラップの作動をみるで説明しています。

メカニカルスチームトラップ

代表的なものに、フリーフロート式やフリーボールバケット式のスチームトラップがあります。浮力を利用する作動原理のトラップです。

メカニカルスチームトラップ

サーモダイナミックスチームトラップ

ディスク式とも呼ばれます。蒸気の凝縮作用と、気体である蒸気と液体であるドレンの差や運動エネルギーに差があることを利用して作動します。

サーモダイナミックスチームトラップ

サーモスタティックスチームトラップ

バイメタル式、ベローズ式、エレメント式が存在し、この代表的なものに温調トラップがあります。蒸気とドレンの温度差を利用して作動します。

サーモスタティックスチームトラップ

それぞれのタイプ別使い分け

フリーフロートタイプが適した用途

TLVでは装置用、蒸気輸送配管のドレン抜き用途ともにフリーフロートタイプを第一優先として推奨しています。

このタイプはドレンが流入すると直ちに排出する連続作動であるため、排出遅れがなく、蒸気輸送配管のリスクを低減し、装置の運転効率を高めます。また、ドレン出口となる弁口が常時ウォーターシールされるため、蒸気漏れを起こしにくく省エネ性能が高いことも特長です。

装置用途と蒸気輸送配管ドレン抜きの例

ディスクタイプが適した用途

ディスクタイプには汎用性が高いという特長があります。しかし、省エネ性能、耐久性の面ではフロートタイプの方が優れているため、ごく一部の条件を除き積極的におすすめはしていません。

ディスクタイプを推奨するごく一部の条件とは、超高圧用途です。フリーフロートタイプにも高圧まで使用できる機種はありますが、TLVのラインナップで最高使用圧力が12MPaGであるのに対し、ディスクタイプにはこれを上回る15MPaG、26MPaGまで使用できる機種があります。このため、超臨界水等の過酷な条件ではディスクタイプが使用されています

超高圧用の例(発電タービン)

また、凍結のおそれがある設置場所では相対的に凍結に強いディスクタイプを選択することがあります。ただし、取り付け方向に注意が必要です。

サーモスタティックタイプが適した用途

装置用、蒸気輸送配管のドレン抜き用途は前述の通りですが、例外的なのがトレース用途です。特に重油をトレースする用途などでは、ドレン顕熱を利用することで運用面の効果と省エネ効果を両立しています。

この用途にはサーモスタティックタイプの一種である温調トラップを使用します。温調トラップはスチームトラップであるのに、あえてドレンを滞留させるため他の用途には適しません。

保温トレース用途の例